The Five Atomic Seasons
Tangerine Dream

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Tangerine Dream
Springtime in Nagasaki (2007)

Eastgate 014 CD - total time 54:05


  1. Navel of Light part one 8:03
  2. Navel of Light part two 14:44
  3. Navel of Light part three 7:42
  4. Persistence of Memory part four 6:33
  5. Persistence of Memory part five 13:12
  6. Persistence of Memory part six 3:51

The Five Atomic Seasons と題される、春、夏、秋、冬、永遠の季節で構成される5部作。 長崎で原爆の惨禍に巻き込まれた青年(H.T.氏、後に広島に移住)の実体験に基づくコンセプト作品である。 本作はその第1作目であり、原爆投下前の春を表現している。

計6パートからなるノンストップアルバムで、 前半は Navel of Light(爆心)、 後半は Persistence of Memory(記憶の固執) と題されている。 久しぶりの本格的大作指向に、わくわくさせられる。

特に後半の persistence of memory は圧巻だ。 #4のリズムパターンはタンジェリンドリームでは意外に聴くことの出来ないもので、 近未来的で緊張感のある展開になる。 エッセンスとしてはFAX+49-69-450464レーベルに近いかもしれない。 #5は美しいアンビエントパート。途中でビバルディの春(第1楽章)がコラージュされている。 #6は爽快に走り抜けるシンセ・ロックであり、聴き終えて清々しい気分になれる。

近年の作品のなかでも屈指の仕上がりで、特に1980年代の大作がお好きなら、 一聴の価値は十分にある。


Tangerine Dream
Summer in Nagasaki (2007)

Eastgate 019 CD - total time 56:38


  1. Climbing Mount Inasa 10:56
  2. In The Cherry Blossom Hills 5:15
  3. Mystery Of Life And Death 13:32
  4. Dreaming In A Kyoto Train 7:00
  5. Ayumi's Butterflies 4:59
  6. Presentiment 4:05
  7. 11:02 AM 10:51

シリーズ第2作目。原爆投下される夏までの季節を表現している。

前作同様のノンストップアルバム。 演奏内容は、その延長上にあり、出来栄えは勝るとも劣らない。 特に#3から#4にかけての複雑な曲構成や、輝くようなシーケンスが圧巻だ。

登場人物#5のアユミは主人公の恋人だったが、避ける術のない悲劇が迫っていた。 ここではポップで明るい曲調になっている(終盤、急な暗転あり)。 そして、敬虔でクリアなアンビエント#6へと続いていく。

ラストナンバーは、原爆投下時刻(1945年 8月9日 11時02分)を現している。 複雑なシーケンスを構成しながら進行するが、終盤に時間が止まるような演出がある。 主人公の運命は大きく変わり、 次回作から舞台を広島に移す。


Tangerine Dream
Autumn in Hiroshima (2008)

Eastgate 032 CD - total time 57:02


  1. Trauma (9:26)
  2. Reset (4:00)
  3. Awareness (1st Teaching) (4:59) Voice - Barbara Kindermann
  4. Novice (2nd Teaching) (4:46)
  5. Strange Voices (1:09)
  6. Fathom (3rd Teaching) (4:10)
  7. Oracular World (4th Teaching) (2:48)
  8. Remembering Ayumi (2:43) Voice - Iris Camaa
  9. Mellow Submersion (5th Teaching) (2:27) Flute - Linda Spa
  10. Answers (6th Teaching) (5:38)
  11. Touching Truth (1:21)
  12. Insight (7th Teaching) (5:33) Guitar - Bernhard Beibl
  13. Omniscience (8th Teaching) (5:57) Drums - T. Quaeschning
  14. Nothing And All (2:11)

シリーズ第3作目。 被爆後の絶望から、新たに歩み出すための意識変革(覚醒)を描いているらしい。 観念的なストーリーになっているようだ。

#1は退廃的で悲しみに満ちた導入部から、次第に力強いシーケンスが立ち上がる。 前2作同様に傑作の予感十分だが、2曲目以降は、ゆったりと流れていく。 #3のスキャットはリアルなボーカルだが、#5はボカロ曲。 全般にLivemilesあたりを緩くしたような展開で、シリーズ中における緩衝楽章かもしれない。 後半のクライマックスは#13で、目の覚めるようなシーケンスが圧巻である。 全編、ほぼノンストップ。

当初、ジャケットには「春」とミスプリントされていた。 現在は訂正されているっぽいので、運良く?入手できれば貴重なコレクションになるだろう。 あまり関係ないけど、ジャケット画像をネタ化してみました。


Tangerine Dream
Winter in Hiroshima (2009)

Eastgate 039 CD - total time 61:32


  1. Transition 7:37
  2. Ayumi's Loom 9:38
  3. Outlook 3:15
  4. Togetherness 7:22
  5. Echo Of Light 4:31
  6. Key Moment 4:54
  7. Insiders 7:41
  8. Nexuses 8:26
  9. Glowing Vision 8:08

シリーズ第4作目。 ハイライトはズバリ序盤の20分くらいかもしれないが、 冒頭の女声ボカロ・スキャット曲が秀逸である。 スキャットというよりも擬似言語かもしれないが、日本語的な響きではない。 そのまま#2へとつながる加速感が、格好良いかも。 個人的には#2から#3への切り替わりが、なぜかツボだったりする。 以降はゆっくり盛り上がるようでいて消化不良だったりするが、 男女スキャットと高速シーケンスの#7がアクセントにはなっている。

本作も「秋」と同様に「春」とミスプリントされたバージョンが出回っている。 やはり「漢字」は難しいのかしら。


Tangerine Dream
The Endless Season (2010)

Eastgate 047 CD - total time 64:36


  1. Flashback 1:15
  2. Devotion 9:18
  3. Virtue Of Hope 4:37
  4. Escape 6:36
  5. The Seven Barriers 8:28 Guitar - Bernhard Beibl
  6. Logic Of Intuition 6:40
  7. Shunyata 6:30
  8. Restless Mind 5:23
  9. Wild Ocean Of Blue Fate 7:44
  10. Breaching Sky 4:07
  11. Morphing 4:03

Part Five From The Five Atomic Seasons ということで、いよいよ最終章ということかな。 ストーリーも戦禍とその復興から、見知らぬH.T.氏に軸足を移しているはずなので、曲名を見ても音を聴いてもピンとこなくなっている、 我が洞察力の無さを許してほしい。

導入部は、まるでKraftwerk / Tour de France soundtracks みたいなサウンドで、今度はX-Fileを思わせるフレーズが出てきたりと、ちょっと面食らう。 でも緊張感あるシンセベースに伸びやかなエレクトリック・ギターが聴き所。 そして心安らぐ旋律の#3。そこに至るまでの展開が、本作の華かなぁ。 #5では、ゆったりとしたソロ・ギター(Bernhard Beibl)かたっぷりフィーチャーされる。 エドガーのギターとの違いがよく判ると思う。 以降の展開は、いわばメドレーでしょうかね。 ラスト#11の単音シンセ・ベース・シーケンスが格好良いです。

ジャケットは前4作品と趣きが異なり、 画像では判りにくいが、和服姿の女性2人と、笹と龍があしらわれている。
















浅き夢見し


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