Tangerine Dream
Alpha Centauri (1971)

Jive Electro C TANG5 / Castle ESM CD 346 - total time 39:50


  1. Sunrise In The Third System 4:21
  2. Fly And Collision Of Comas Sola 13:23
  3. Alpha Centauri 22:04

Edgar Froese : Guitar, Organ, Coffee Machine
Chris Franke : Percussion, Lotos Flute, Piano Harp, Zither, VCS 3 synthi
Steve Schroeder : Hammond and Farfisa Organ
Guest)
Udo Dennebourg : Flute and words
Roland Paulick : VSC 3 Synthi

フローゼ・シュルツェ・シュニツラーによる夢の饗宴から、ほどなくシュルツェ・シュニツラーが脱退(音楽的意見の不一致とされる)。 そしてクリス・フランケとスティーブ・シュローダーが加入。 フランケはアジテーション・フリーからの移籍で、1980年代終盤までTDに在籍した重要メンバーである。

サウンドは、前作での味わいを残しつつ、アンビエント指向を強めている。 荒削りながら、シンセサイザなどの電子音が使われており、本格的なエレクトロニック音楽への過渡期となる作品だ。 全てのトラックに、ピンク・フロイドの曲「A Saucerful of Secrets(神秘)」のオマージュが強く現われている。 一方で、一部ながら前作を髣髴とさせる、サイケデリックなジャムもあり。 個人的な感想だが、近年のポスト・ロック・サウンドに、よく似ている。 TortoiseやGodspeed You ! Black Emperorあたりがお好きなら、違和感なく聴けると思う。 ところで、コーヒー・マシーンは、どこで使われてるのだろう。 ちょうど良いノイズ源だったのかも(使用楽器は初期版ライナーから転載)。

#1 Sunrise In The Third System(第三体制の日の出)
エレクトリック・ギターとオルガン、シンセサイザによる、荘厳な導入部。 この曲はノンビートになっており、シンセ音は電気的でゴリゴリした感触です。

#2 Fly And Collision Of Comas Sola(蝿と、コマス・ソラの衝突)
タイトルは「コマス・ソラ彗星」に因むもの。 タンジェリン・ドリームの曲名には、このような特殊な固有名詞が多い。 冒頭からアナログ・シンセの変調音を使用している。 とりあえず音は出せたが、まだ十分に使いこなせていない、というところだろうか。 以降は#1と同じような展開で、「神秘」を思わせる聖歌風。 終盤になると、フランケのドラミングが加わり、呪術的なクライマックスへ。 前作におけるシュルツェのドラミングに、勝るとも劣らないくらいサイケデリックである。 突然途切れるように終了。

#3 Alpha Centauri(ケンタウロスのアルファ星)
ケンタウロスのアルファ星は地球から4.22光年離れた恒星で、太陽以外で肉眼で見える最も近い恒星。 もちろんベータ星、ガンマ星など数種類存在する。 導入部は太陽讃歌(Pink Floyd)を思わせるシンバルと電子音。 そしてシンセとエフェクタによるドローンが続いていく。 そしてフルートが、気だるいインプロビゼーションを奏でる。 途中で聞こえる「ぶるるるるーん」ベースは、後のBill Laswell & Tetsu Inoue / Cymatic Scan (PS08/50) で流用されてるような気がする。 後半は、より内省的なアンビエントとなるが、 18分頃にドイツ語の演説が入り、「神秘」を思わせるオルガンとスキャット。 エンディングに向けた展開であろうが、クオリティはイマイチに感じてしまう。

Castle版(ESM CD 346)のリマスタリング・エンジニア(Thomas Heimann-Trosien)は、 曲間(ビスノイズだけが鳴っている部分)を切り詰めたがる傾向にある。 問題はタイトル曲で、導入部のフェイド・インが短くなっていること。 Castle版では、22:04となっているが、Jive Electro版では22:12である。 Jive Electro版の実質時間(無音部分を除外)を調べたところ、22:10であった。 よって、これより短いバージョンは「不完全版」ということだ。 後の国内盤リイシューは、22:08とのことで、微妙(カットあり?)と思われる。 なので独自に、Jive Electro版の導入部とCastle版(リマスター)をつなげた音源を作ってみた。 まぁ、いい感じになったと思う。



A) 裏表紙
B) 見開き

エドガー・フローゼとモニカ・フローゼ(Monique Froese)によるアートワークは、 いわゆるプログレッシブロックの一連の作品の中でも、特に優れたものである。 この作品の裏表紙(図A)では、フローゼの息子ジェローム(Jerome Froese)が初登場。 小さい画像で申し訳ないが、左下方向に赤ん坊の姿が確認できると思う。 見開き(図B)は現代音楽における「図形楽譜」のようである。 それでは、以降に古いCDのアートワークを載せてみる。



C) Jive Electro版
D) Castle版



E) Castle版
F) Castle版



G) Castle版
H) Castle版

図C) はJive Electro版。紫色のジャケットだった。
図D) - 図H) はCastle版。 画像では判りにくいが、表紙は黒枠あり、トリミングも不適切で、コントラストが強すぎて階調が飛んでいる。 しかも、どこもかしこも「表紙」ばかりが並んでいる(裏表紙も見開きも無し)。 ライナーは単なる感想文で、情報としての価値はない。 これでFaithfully Restored Artworkとは、人を馬鹿にするのも程がある。 Castle版は粗悪版に近いと捉えた方がよい。



J) Ultima Thule

本作と同時期に、シングルUltima Thule Part 1 & 2 が発表された(図J)。 Part1 (3:23)は唐突に、かき鳴らすようなギターで幕を開ける。 これも、ピンク・フロイドA Saucerful〜のオマージュというか、パンク・バージョンというべきか。 Part2 (4:13)は、やや落ち着いたナンバーで、とにかくメロトロンに尽きる。


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