Stomu Yamashta
[末尾]


いろは「火」 Iroha Ka

「いろは 水」の続編で、いろはシリーズの最終章。本作のリリースにあたって、ツトム・ヤマシタは度々TV出演し、新曲である「天火」を演奏するなど、積極的にプロモーションしていた。「天火」のパフォーマンスは、重厚なメロトロン?が響くテープをバックに、パーカッション群を片っ端から叩きまくるという、現代音楽そのものな内容だった(吉原すみれ、みたいな)。

RVC RPL-8187 - total time : 39.48


  1. 聖誕火 Birth 12.50
  2. 天火 Cosmic fire 6.26
  3. 受命 Destiny 5.01
  4. 御仏は In the heart 3.25
  5. いろは変奏曲 IROHA variation 2.55
  6. 定道 Our way 6.04
  7. 久遠 As far as 3.05

このアルバムは「天・地・水」からの使い回しが大半を占めている。リリースを急ぎすぎたのだろうか。

#1の導入部は神秘的なシンセ演奏だが、純粋な新作といえるのは最初の数分のみ。 以降は「天」からの使い回し「読経の声が聞こえてくる。パーカッションによるビートが加わって、時間をかけて盛り上がっていく。読経がクライマックスに達すると一瞬休止、重低音による轟音が響く。」である。 さらに「天」からのサンプルと、オリジナルのメロトロンを加えて、緊張感を増している。 ただ、エフェクタをかけたような感じの音質で、オリジナルに比べてクリアでない。 #2「轟音が響く」ところから「天火」。やっぱり重厚なメロトロンが聴き所。 パーカッションの叩きまくりは無し(無くて良かった;)。 後半は脈打つシーケンスと、電子音のリズム隊が加わります。

Side2、#3は「天火」の変奏曲といえる、厳かなメロトロンで幕を開ける。 無駄な音を一切排し、メロトロンのサウンドが妖しく響く。 ラストのパーカッションの共鳴が凄い。 #4-6は、ノンビート、スローテンポの叙情派シンセ音楽。 刺激的な音は無く、優しいサウンドに徹しているので、退屈になりがちだが、 #6終盤で現れるシーケンスがアクセントになっている。 なお、#5は「地」からの使い回しではなく、新録音。 ラストは山水のシーケンスでフェイドアウト。

使い回しの多さは気になるところだが、 いまだ入手できない「天・地」のサンプルを聴くことができる点で、ありがたい音源かもしれない。

この作品と前作「水」は、RVC盤と称するCDが、海外で出回っていたらしい。 これのサンプル音源を入手したが、幸い「水」のような不具合はなかった。


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