Stomu Yamashta
[末尾]


いろは「天」 Iroha Ten

1980年代初頭、RVCレコードからリリースされた2枚組みアナログ「いろは 天・地」は、過激なまでにアヴァンギャルドで「かつて誰も聴いたことがないサウンド」と話題になった。真言宗総本山・東寺の全面バックアップによる読経や声明をサンプルし、シンセサイザ担当は泉千氏という編成だ。「いろは歌」作曲に山下清孟、デビット・キッドなどがクレジットされている。この作品は1枚目の「天」。


  1. 開鐘 Opening 21:42
  2. 入音 Chanty
  3. 心経 Sutra
  4. 天地創音 Organic tone
  5. 礼歌 Kyrie
  6. 真言 shingon 14:45
  7. 光音転生 Photone

「いろは」シリーズは全編、アナログ盤A面B面切れ目無しの展開である。前半#1-5は、遠くで鳴る除夜の鐘のような効果音が3分くらい続き、読経の声が聞こえてくる。シンセサイザによる消え入りそうなメロディが流れる。再び読経。パーカッションによるビートが加わって、時間をかけて盛り上がっていく。読経がクライマックスに達すると一瞬休止、重低音による轟音が響く。ヘヴィなサウンドの奔流に身を任せるのみだ。終息すると、美しいシンセサイザ・サウンドが流れて終了。

後半#6-7は少々不気味。声明と低音シーケンサの導入部に続いて、リバーブの深い和太鼓ソロ。以降は雷鳴や雨音をバックに、シンセサイザが唸りを上げるミュージック・コンクレートのような演奏だ。

同レーベルからツトム・ヤマシタ・プロデュース作品「水谷ひさし / 命のルーレット」もリリースされ、これも一通り聴いたが、プログレやテクノポップを意識した作品ながら、どことなく拍子抜けしたアルバムだった。これも未CD化?

RVC RPL-3026-27


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