Popol Vuh
Affenstunde (1970)

Spalax CD 14205 - total time 39:43 + 10:30


  1. Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 4 8:44
  2. Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 5 4:41
  3. Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 49 7:43
  4. Affenstunde 18:35
  5. bonus track:
    Train Through Time 10:30

Popol Vuh の1stアルバム。 ジャーマンプログレ・クラウトロックにおいても電子音楽の先駆けであり、ぜひ聴いておきたい。 モーグ・シンセサイザーによる電子音だけでなく、エスニックなパーカッションや自然音を組み合わせたサウンドで、とても実験的である。 しかしながら、木々の間を流れる空気や、生き物の息遣いを身近に感じるような、有機的な響きがある。 また、いわゆる混沌(カオス)指向ではなく、明快な曲構成など、当時のジャーマン・シーンの中でも際立った存在感をもっている。

かつて国内盤のタイトルは「原始帰母」であった。 某有名アルバムの邦題に似すぎていることから、単に混乱するだけだったのではと思う。 ボーナストラックはSPVからのリイシュー版に収録。Spalax版には収録されないので注意。

Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 4 (私は鏡を造る / 夢)
約20分の長編。パート名の割り振り(4, 5, 49)が不可思議だ。 鳥のさえずり(生録)でスタートするが、何かが池にドボンと投げ込まれて、虚構の世界に反転する。 鳥のさえずりも、電子音の擬音に置き換わる。 「鏡の裏側」をイメージするかのように、 電子音のドローンと機械的なシーケンスが現れては入れ替わり、消えていく。 シーケンスといえどもフレーズらしいものは無く、ほとんど効果音である。 後半になるとバックでラテンパーカッションが鳴っている。 風のようなノイズが続いて、、、

Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 5
ラテンパーカッション群やカウベルなどが「ぽんぽこ、からから」と鳴りまくる。 打楽器の演奏としてはノリもよく上手いのだが、BPMの異なる演奏が混ざっているので、完全に音群と化している。 再び風のようなノイズに消えていき、、、

Ich Mache Einen Spiegel - Dream Part 49
消え入るようなオルガンとソロ・シンセ。 脈打つようなアンビエント・ドローンで、 僅かにパーカッションが入るものの、あくまでも静けさが支配している。

Affenstunde (お猿の時間)
6分20秒前後を境に2部構成になっている。 焚き火の生録でスタート。 電子音のドローンに、妖しげな儀式を思わせるエスニックなドラムが鳴り響く。 新月の森の中を彷徨うような不安を掻き立てる。 そして太鼓が退き、ドローンのみが残る。 やがて後半へ。 新たなドローンが現れて、シンセサイザによるインプロビゼーション。 軽やかなパーカッションが加わって、冥想的に流れていく。 以降は、これといった展開もなく終了。 タイトルの具体的に意味するところは不明。

Train Through Time (時間を通過する列車)
可愛らしいシンセに導かれて虫の羽音。 そして"Japan ... Take it down (聞き取りは自信なし)"と謎めいたナレーション。 機関車(あるいは馬車)と思われるサンプルがリズムを刻み、 ラテンパーカッション、オルガン、シンセサイザが絡む明朗な「ダンスナンバー」。 最後は再び大量のハエが飛び交って、変調音が現れて終了。 ここは事実上のラストアルバム Messa Di Orfeo を連想させられる点、興味深い。

Florian Fricke / Moog synthesizer
Bettina / cover design, tablas
Frank Fiedler / synthesizers, mixdown
Holger Trülzsch / percussion
Produced by Betlina Fricke & Gerhaud Augusten



裏表紙 (Spalax)
見開き (Spalax)

表紙のジャケット画像は、キングレコード(国内盤)のものとされている(サイト「YOCの大きな口」から拝借)。 表紙については、物によってトリミングの度合いが大きく異なるようである。 この作品は「湖の自然を表現したもの」との説があるが、見開きの夕景(右図)は、本作のサウンドをうまく表現していると思う。


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