Houzan Suzuki
[末尾]


momento 瞬間 (Feb 2005)

「音波」作品から一旦退き、 サウンドトラック的な音創りと即興性をコンセプトに取り組んだ作品です。 シーケンスやドローンに加え、手弾き素材を多用したそうで、 意外性のある展開を堪能できます。

自主制作 - total time : 79.48


  1. 「南からの風」5:27
  2. 「北の炎」8:03
  3. 「南の砂漠」5:29
  4. 「南の木陰」1:41
  5. 「北の氷河」9:27
  6. 「北の吹雪」9:58
  7. 「臨死体験」12:27
  8. 「転生」7:38
  9. 「南の雨、そして雨上がり」19:34

#1は、導入部こそZ-55 Sound for sex にそっくりだが、以降は1980年代終盤のTangerine Dreamを思わせる、シーケンスの走る曲。 親しみやすいキーボードソロもフィーチャーされ、とてもポップな仕上がりになっている。 #2もシーケンス主導だが、不規則な変拍子とリズムの応酬あり。 しかし不思議と、気楽に聴けるアレンジだ。 #3は中近東風のドローン。最後は呪術的な太鼓部隊がドンドン鳴って終わる。 短編の#4は、のどかなニューエイジ系。 ちょっと一服、一休み。

#5からは、いよいよ本アルバムの本領発揮です。 「氷河」とのタイトルどおり、動きのない風景のようなクリアなドローンだが、何者かが潜んでいそうな雰囲気も併せ持つ。 後半、シンプルながらきらびやかなシーケンスが走って、急展開していきます。 #6は、アップテンポなシーケンスが複雑に絡みあう、目玉トラックのひとつ。 部分的ながら、Tangerine Dream / Ricochet Part 1-2 のフレーズが引用されています。 タイプライターのような、カチャカチャ鳴るリズムが快楽。 #7はメロトロン風サウンドの緊張感あるドローンで、 後半は比較的最近のフィリップ・グラスのようなリフレインが使われています。 #8では、再び高速シーケンスが絡み合う。 「4分の11拍子」のフレーズが組み合わさり、5拍と6拍のスリリングでトリッキーなリフレイン。 Mike Oldfield / Incantationsに触発された作品で、ベースパターンにもその影響が強く出ています。

ラスト#9は、19分の長編。 起承転結のはっきりした作品ですが、意外性に満ちた展開を堪能できます。 以降、ネタばれ注意。 雅楽でスタート→異様なトーンクラスターになって→重い電子音とスローなリズムのインダストリアル→叩きつけるようなピアノが割り込み→ ジャジーでヘンテコなピアノ隊(ちょっとだけEL&P / Piano Improvisation風)→ ピアノが、そのままシーケンスになり→ 再び、、、、とりあえず聴いてみてください(笑)

一通り聴いて感じるのは、やはり1970年代〜1980年代のTangerine Dreamへのリスペクト。 しかし、決して当時のサウンドを懐かしむ作品ではありません。 宅録ながらもサウンドクオリティは最高で、 長時間聴き続けても疲れない音づくり、特に過度なステレオ・ミックスを避けつつも、 十分な音の解像度を保つことに苦心なさったそうです。



disc
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「瞬間」をテーマにしたジャケットは、もはや説明不要とは思いますが、 Tangerine Dream / Rubycon にリスペクトされています。

詳細情報およびご購入については、オフィシャルサイトを参照ください。


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