舟沢虫雄
霊機 (1990)
Spiritual Chance

自主制作 - total time 44:29


  1. かえりたい 4:31
  2. 水銀燈の唄 5:18
  3. 朝雪 0:57
  4. 無縁仏 6:51
  5. 希望2 4:17
  6. 涼しい夏 13:12
  7. 雨・画集・絵本 4:44
  8. 本当の夜 4:39

舟沢氏の第3作目。 ただし1作目と2作目(甘い病床、月の魚)はすでに廃盤で、現時点で聴ける作品では、本作が最も古いタイトルである。 フィジカル・リリースはカセットのみで、生産も打ち切られているようだが、iTunes StoreやeMusicでの配信がスタートした。 実は筆者の手元にカセット版が有るのだが、再生環境に不具合が生じることもあり、未聴のままになっていた。 そういう意味では、この配信は渡りに船であった。

本作において、舟沢氏の音楽性は既に確立されており、 主にメランコリックなシンセ・アンサンブルまたは超ダーク・アンビエントの2形態を組み合わせたものになっている。 冒頭から轟音ノイズと強烈なスクラッチ。 しかしバックから聴こえてくるメロディは、童謡のような懐かしさを感じるものである。 例えば「夕焼け小焼け」のような(曲は似てないけど)。

#2は、出だしが「天空の城ラピュタ」の一節を思わせる、メランコリックな組曲。 #3以降も、陰りのあるワルツと断片的なフレーズを組み合わせた、静謐な作品群が続く。

さて、山場となる「涼しい夏」。 このタイトルはアンチテーゼであろう。 冷夏でも夏は暑いよ、というか、この記事を書いた2010年は、圧力釜の中で焼き尽くされるような夏であった。 熱い高気圧からの圧縮空気で、何もかも捻じ曲げられるような、グニャグニャなシンセ音が怖い。 最後は一瞬の涼風が吹いて終了。

#7は断片的な曲で、その「間」に物の怪が潜んでそうな感じ。 ラストは、これまた夕闇に消え入るような美しいワルツ。

本作がリリースされた1990年は、The KLFのChill Outが発表された年で、 Pete NamlookのFAX +49-69/450464レーベルは開設されておらず、 アンビエント・ハウスの傑作the orb's adventures beyond the ultraworldも未リリースである。 すなわち「アンビエント・テクノ」が一般に語られはじめる前の時代である。 その時代背景を考慮してもしなくても、舟沢氏の独創性が際立っていることを再認識した。
Highly recommended to download !!

準備予定
準備予定
カセットパッケージ 1
カセットパッケージ 2

ジャケット画像は配信用にリメイクされたもの。 カセットのパッケージはスキャンが出来次第、掲載予定である。


<−前へ.. [先頭] ..次へ−>

EXIT