舟沢虫雄
蝉丸の為の音楽 (1997)
Music for Semimaru

自主制作 MH-201 - total time : 71.32


  1. 入場行進 (Entrance March) 3.42
  2. 箱庭 (Miniature Garden) 10.22
  3. 歌うな (Don't Sing) 7.38
  4. ここで待っていた (Awaited Here) 11.32
  5. 蒼い火 (Blue Fire) 12.44
  6. 待ってます (Waiting For) 14.29
  7. 沈むのか (Is That Sink) 10.13

山海塾のメンバーでもあり、黒藤院主宰の舞踏家、蝉丸氏公演のサウンドトラック集で、1988〜1996の間に録音されました。 しかし、実際の公演では使われなかったり、2曲同時にプレイされたこともあるそうです。 3曲目「歌うな」を除き、静寂で情緒的なアンビエントですが、 トラック6ではビートが入ります。 鎮魂歌のようだった前作に比べると、気軽に聴ける作品と思います。
1, 2 : 「空蝉」より
3, 6 : 「百物語」より
4, 5 : 「箒木」より
7 : 「がんねん」より

冒頭「入場行進」では、清らかなパーカッションが断片的に打ち鳴らされます。 曲の大半が休符であり、あなたはそこで何を聴く?と問いかけられているようです。 「箱庭」「ここで待っていた」「蒼い火」も最小限のフレーズで構成された、儚く美しいアンビエントです。 特に「ここで待っていた」は、秋の夜長的な情緒を感じます。

一方で「歌うな」は、邪悪ともいえるノイズが暴れまわる、異色のトラックです。 このトラックは、バックに空ろなアンビエントが流れていますが、 ノイズがダブのようにカットアウト・カットインを繰り返します。 動・静・動の急激な移り変わりが、ある種の恐怖を呼び起こします。 個人的には、アンビエント・トラックだけのミックスも聴いてみたいです。

スローなビート+メロディアスな「待ってます」は、 映画のエンディングを思わせる趣きあり。 そしてエピローグ的な「沈むのか」は、ノイズ+断片フレーズで進行しますが、 後半は軽快なアンビエント・ビートが加わり、 昇天するかのようなスピード感があります。 タイトルとは相反する曲想かもしれません。

この作品は舞踏のサウンドトラックですが、 いわゆる「ダンス音楽」とは対極の位置にあるような音創りです。 蝉丸氏が、どのようなステージを演じているのか、非常に興味深いところです。



ブックレット裏表紙


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