Bernd Kistenmacher
Celestial Movements (2009)

MellowJet cd-bk0901 - total time 67:57


  1. The Beginning 5:01
  2. In Face of Saturn 12:14
  3. Colliding stars 17:26
  4. Eternal lights 10:20
  5. Living between 19:35
  6. A Celestial Move 3:21

Bernd Kistenmacher の公式ソロアルバムとしては21作目、MellowJetレーベルへの移籍第一弾である。 前作 Un Viaggio Attraverso L'Italia (2001) 以来の作品となる。 Bernd は1999年、多くの作品を集中的に発表している。 これらについては未検証につき、詳細不明。

筆者は、Bernd Kistenmacher の1980年代〜1990年代作品のごく一部を聴いたにとどまるが、本作はこれら作品とは趣きが異なる。 従来の、強烈なまでの'70sジャーマン・エレクトロニカ志向はすっかり影を潜めて、とても普遍的な音作りになった。 強いて言えば'80sのTangerine Dream風だが、一般の音楽ファンにとっては、取り付きやすくなったと思う。

導入部こそダーク・アンビエント・ドローンで、「それっぽい」のだが、 やがてトランペット・シンセによる高らかなファンファーレが鳴らされる。 そして続く#2は、明朗でキャッチーなダンストラックである。 もっとも起承転結の「承」に相当することから、あまりテンションを上げず、ゆったりした浮遊感を楽しめる。

#3はノンビートでクラシカルな作品。 ちょうど「アルビノーニのアダージョ」風といえばよいか。 #4もノンビートで叙情的なナンバー。後半の主題というべきキーとなる名曲である。

#5はパイプオルガンでスタートする、輝きに満ちた曲。 「交響曲第9番(合唱つき)」のようなイメージだろうか、明朗なリフレインが続いていく。 シンセのアンサンブルにエレピのソロ。 ただ、さすがにコレで19分引っ張るのは厳しいなあと思えてくる頃には、雰囲気が変わり始める。 タネ明かしをすると、E2-E4が好きならニヤリとするような。 基本ミニマル曲だが、曲想を変えながら進行し、そして終盤はダンスビートで一気に追い上げる。 ラストはパイプオルガンによる円環構造。 #6は、#4の別アレンジ(ソロピアノ主導)で、静かに幕を閉じる。

音作りそのものは丸くなってしまった感はあるが、密度の高い曲作りであることから、聴けば聴くほど味があると思う。 Klaus SchulzeやPete Namlookのような個性的な音を期待すると「ちょっと違う」かもしれないが、 むしろシンフォ系プログレファンの方に、お薦めできる作品と思っている。



名刺 #1
名刺 #2



見開きフォト

編集後記:
このレビューの作成当時は、本作に関する日本語情報は、全くヒットしないに近い状態だった。 すなわちfacebookを日本語表示しただけ(本文は英文のまま)とか、 Last.fmやiTunesのようなダウンロードサイトとか、 キーワードが挙がっているだけで中身の無いサイト(○○検索結果みたいなヤツ)とか、 あったとしても備忘録を記したブログくらいで、 日本での知名度の低さが浮き彫りになっていた(かく言う筆者もノーチェックだった)。 アーティスト名だけで検索しても、ヒット数はともかく質的には全く変わらず、若干のCD通販サイト(amazon.co.jpのマケプレや目白WDのリストのみ)が加わる程度。 ようつべで試聴できるが、wikipediaはドイツ語のみ!
これを機に、一人でも多くのリスナーに聴いていただければよいと思う。(July 2010)


<−前へ.. [先頭] ..次へ−>

EXIT