Italian Progressive Rock
イタ物プログレ 一発紹介

[HOME] [プログレ] [紀行] [絶叫]

筆者はこれまで、イタリアン・ロックについては一部を除いて、少ししか聴いていなかった。「イタリア臭さが肌に合わん!」というのではないが、情報不足、予算不足が壁になっていたようだ。しかし、幸いにもこの分野に詳しい方が身近にいらしたので、遅れ馳せながら追体験できる運びとなった。 ある程度聴き進めた感想を述べると「いやーホントに楽しかったー」との一言に集約できる(笑)。 未体験の方、ぜひ一度お聴きになっては如何でしょうか。 このコーナーでは、一発紹介と題して、独断と偏見でセレクトしたアルバムを簡易レビューします。 網羅的な紹介や詳細記事は、他サイト(リンク先に詳しいサイトが多数あり)をご覧になることをお勧めします。 末尾

[Area] [Arti E Mestieri] [Banco Del Mutuo Soccorso] [Celeste] [Etna] [Flea] [Formura 3] [Goblin] [IL Volo] [Latte E Miele] [Le Orme] [Museo Rosenbach] [New Trolls] [Osanna] [Picchio Dal Pozzo] [PFM] [Robert Miles]


Area / Arbeit macht frei

アレアの1st。1曲目から個性的ジャズ・ロック。姉ちゃんのナレーションだけで40秒。存在感のあるバリトン・ボーカルが入ってエスニック風テーマと変拍子が炸裂。そのまま加速して、変態インプロがぶつかり合う。ラストはエスニック風変拍子。4分半くらいだが、凄いインパクト。残りの曲はエスニック風味こそないが、見事なアレンジのジャズ・ロックで、音質もバッチリ(きっちり聴くと若干ノイズがあるが、問題ないでしょう)。もちろんテクも半端じゃない。ヴォーカルも独特の歌唱法で、これも聴き物だ。初期MAGMAに通じるサウンドかもしれない。最後の曲は高円寺百景「弌」のエンディングとソックリ。2作目では、サイケな電子音楽も。ジャーマン物との違いがはっきりして面白い。3作目以降も、もちろんイケてます。
ヴォーカリストの故デメトリオ・ストラトスのソロ作は、相当にアヴァンギャルドとのことで、聴いてみたいと思う。


Arti E Mestieri / tilt

アルティ・エ・メスティエリの1st。 ジャズロック、シンフォ、親しみやすい歌もの、目立ちまくるヴァイオリンと豪華仕様で、しかもトータルアルバムとしての構成も見事。すごいテクを持ちながら、あえて超絶にならず、聴けば聴くほど染み入る印象だ。イタリアン・ロックの傑作と呼ばれるのも肯ける。 ジャケは無粋っぽいが、紙箱ものは見栄えが良い。
2ndは短編組曲を詰め込んだ感じで、こちらも聴き応え十分。 2000年には新作「Murales」を発表、若干フュージョンっぽいが、納得のいく作品だ。 ▲▲


Banco Del Mutuo Soccorso 改

バンコの1st。筆者が聴いたものは、メンバー自身が一部パートを再録音したものらしい。全曲、Extended Version。だから、厳密にはオリジナルでないが、いやーホントに素晴らしいです。個性的で存在感抜群のヴォーカル、見事なアンサンブル、最高の音質。凝縮しつくされたPFMに比べると、ゆったりと「聴かせる」大作に、気の利いた小曲がブレンドされ、満足感も高い。全ての音楽ファンに聴いてほしい名盤。2nd ダーウィン以降も水準の高い作品で、お薦め。


Goblin / Suspiria O.S.T.

ゴブリンは、もともとサントラ制作のために結成されたグループだそうである。サスペリアは3作目にあたるサントラ。旧アナログの1面はメインテーマとホラー系効果音をフィーチャーした演奏。テーマは明らかにチューブラーベルズのパクリで、えらく雑な編集で構成され、一体どうしたの?という印象。残りは、音響効果を味わうもので、コケ脅かしフレーズに、うめき声や叫び声が大量にオーバーダビングされている。音楽的に素晴らしいのはSide2。冒頭はフィリップ・グラス「Music In Similar Motion」のカバーで、なかなかエグいエレクトロニック・ミニマル音楽。続く12分のメドレーが、プログレッシブ・ジャズ・ロックとして優れたトラック。近年、ボーナストラック付きでリイシューされたが、ジャケットも変更された。映画は話題作ホラーだが、日本公開版は本国のものに比べて残酷シーンが大幅カットされている模様。他のアルバムはあまり聴いてないが、とりあえず。Rollerは、明るいフュージョンみたいなもの。「マーク」はダミ声ボーカル聴いただけで終わった。どちらも期待したほどではなかった。 ▲▲


Latte E Miele / Passo Secundum Mattheum

ラッテ・エ・ミエーレの1st。一応トータルアルバムみたいだが、独善的ともいえる雑な編集が目立ち、とても聴いてられへん。肩透かしのようなフェイドアウトはまぁ我慢するとしても、Track4はいきなりブチ切れて終わるし。NEU!やトータスじゃあるまいし、一応シンフォでしょ??もちろん演奏は気合入ってて、サウンドも素晴らしいですけど。後半、荘厳なパイプオルガンが聞こえるあたりから畳み掛けるようなクライマックスで、さすがに聴き応え十分。ラストの叙情的な歌ものも良い。 2ndの編集はマトモで洗練されている一方、終盤の盛り上げがあっさりし過ぎている。


Le Orme / Collage

レ・オルメの3rd。従来作はポップスだったが、本作からプログレ指向に転向する。キーボード・トリオ編成で、どうしてもEL&Pを連想するが、感想は「.........」である。なんだかキーボード、ベース、ドラムスが別々に鳴ってるような感じで、思い切りイマイチなのでした。むしろ特徴は、やたらとリリカルで甘いメロディー・ラインのボーカル・パート。これはEL&Pでは聴けない。
続く作品「Uomo di pezza」「Felona E Sorona」は構成力、録音技術、演奏内容ともに格段に進歩した傑作で、購入するなら、これらがお薦め。また再結成後の新作「Elementi」もトータルアルバムで、良い出来。 ▲▲


Museo Rosenbach / Zarathustra

ムゼオ・ローゼンバッハが発表した、唯一のアルバム(ただし、2000年に再結成、新作も出たらしい)。タイトなアンサンブル、いかにもイタリアな情熱的ボーカル、EL&Pを彷彿とさせる(ウソ)ハモンド・オルガン、クリアな音質など聴き所も多いが、消化不良気味の曲構成が釈然としない。前半のタイトル曲は5パートから成る組曲(ちなみに「ツァラトゥストラはかく語りき」のメロは無し)だが、通して聴いても、いわゆる大作を聴き終えた充実感が感じられない。ノンストップではあるが分断的な展開で、盛り上がるように思わせて、いきなりフェイドアウト、別のパートがつながるのも有り。後半の3曲も同様かなぁ。しかし、このような短所を埋め合わせる、見事な音色のメロトロン!!これで決まりだ。


NEW TROLLS / Concerto Grosso N.1

ニュートロルスについて、 ファンの間では「コンチェルト・グロッソ派かUT派か」という論争があるようだが、聴く限りではクラシカルなストリングス隊が前面で、決め所をロック演奏で締めるスタイル(1曲目)が文句無しに良い。ノイジーなフルートがちょっと暴走気味。2-4曲目はAORでも使えそうな叙情的なテーマ(ボーカルパート)が使い回されている(残念ながら、だんだん飽きてくる)。4曲目のギターソロはジミ・ヘンドリックスのパクリらしい(これまた耳障りな音)。5曲目の20分ものは、もう圧巻。本作には続編があり、こちらは正統コンチェルト風。


NEW TROLLS / UT

そしてこれが、ITもといET、ではなかった、UTである。序盤からシャープでクラシカル。タイトでかっこいい演奏だ。ただ、ハモンドオルガンの多用など、どうしてもEL&Pを連想してしまう。いかにもイタリアン・ロックなコンチェルト・グロッソに比べ、まるで別のバンドみたいだ。後半は切れ味の悪いハードロックやダラダラした曲が続きイマイチだが、終盤の小曲は良かったと思う。時折、ジャリジャリとノイズが入るが、これは何??▲▲


Osanna / MILANO CALIBRO 9

オサンナの代表作のひとつ。ビバルディっぽいストリングス隊にヘヴィー・ロックといえば「コンチェルト・グロッソ」という類似作もある。が、本作は全編、徹底して協奏曲でまとめられている点が違うといえば違うかも。しかし、ノイジーなフルートは、「まるで同じ」で、当時の流行サウンドだったのかなあ?各曲は短いが完全にトータルアルバムで、聴き応えも十分。次回作で問題作でもある「パレポリ」の伏線を、あちこちに感じることができる。ただ、全曲通しても30分少々で、あっという間に終わる。


Osanna / PALEPOLI

「パレポリ」は、前作と同一グループとは思えない、異形の作品である。民族音楽というか生録のようなスタートから、アコギをバックに叙情的なボーカルパート、サックス隊をフィーチャーしたジャズ・ファンク、変拍子クシャクシャの変態アンサンブル、洪水メロトロン、無音部分(笑)がノンストップで脈絡無く繰り出される。この快楽は文句無し。MAGMAの1st「KOBAÏA」にも通じるものだ。とにかく、ネジ曲がった音楽がお好きな方は必聴です。▲▲


Premiata Forneria Marconi / Per Un Amico (友よ)

PFMの「Photos Of Ghosts」は、いわゆるプログレ・シーンを代表する名盤の一つとして数えられるし、イタリア物をあまり持ってない筆者でさえも、紙ジャケ20bitK2リマスター版を買い直す程、思い入れのある作品である。「Photos Of Ghosts」は、もともとオリジナルアルバムではなく、PFMの2ndアルバム「Per Un Amico (友よ)」をベースに英語化し、アレンジを若干変更したものだ(Celebrationは1stアルバム「Storia Di Un Minuto」のE'Festaをベースしたもの)。イタリア語独特の抑揚や、オリジナル・アレンジを堪能できる1枚。ちなみにMr. 9-5は、ここではインスト。





このコーナーは、Quick Review Express お急ぎ紹介から転載し、加筆修正したものです。 先頭
EXIT