Vangelis

the dragon | hypothesis | earth | ignacio | beauboug | chariots of fire | soil festivities | invisible connections | el greco | 666 | 末尾


The Dragon (1971)

有名な初期作品。ヨーロッパのごく一部の地域でCD化されているとのことだが、 アーティストの意向で発売を差し止められているらしい。 ジャケットの竜が、いかにも人間的な体つきで笑える。 サウンドはエスニックだが、ロック色が強い。未入手。

- total time : 35.59


#1は、地中海風の重厚なテーマが、のたうちまわるようなヘヴィ・ロック。 ハードロックなギターを伴い、15分間、ひたすら突進する。 ジャムっぽく粗削りなサウンド(マスターテープも傷んでるっぽい)だが、独特の味わいあり。とにかく暑苦しいです。 #2「茄子の詰め合わせ」は、エレピによる導入部からギターその他のパートを加え、徐々に盛り上がる曲。完全にワンリフで、緩衝楽章でしょうかね。しかしながら、後の傑作アルバムの原石ともいうべきトラック。 #3はタイトル曲を明るくしたようなロック・ナンバー。後半は#1より音質が良い。
  1. The Dragon 15.26
  2. Stuffed Aubergine 11.13
  3. Stuffed Tomato 9.19


Hypothesis (1971)

The Dragon と同時期に録音された作品で、CDリリースについても不明。 演奏内容はThe Dragon とは全く異なり、実験的なジャズ(あまり超絶ではない)で、 デモテープのようなサウンド。 SFっぽいジャケットだが、カラフルなシンセ音楽などとは決して想像なさらぬよう。 マニア向け。

- total time : 31.43


  1. Hypothesis Part 1 15.24
  2. Hypothesis Part 2 16.18


Earth (1973)

初期ソロ作の傑作。正規CD化はギリシャなど一部の地域にとどまっている。時代を感じる音ながら、録音はクリア。 むさ苦しいジャケットに似合わず(笑)、表情豊かな展開で最後まで楽しく聴ける。 リズム隊やギター系など、民族楽器がふんだんに使われ、地中海の香りたっぷりな作品だ。

- total time : 39.09


冒頭からドンドン太鼓とダサダサ・エレキギターに「かもーん、かもーん、かもん、かもん、かもん、、!」と来れば不安も高まるが、以降はメドレー主体で畳み掛けてくる。#3のコーラス隊は「天国と地獄」の原型だし、続くインストパート(ギター?と複雑なリズム)も圧巻。#4の「へいほー、なんたらかんたら」も、思わず一緒に歌ってしまうほど。#5はエニグマ?を思わせるボーカル・パフォーマンス。#6はパーカッション・ガチャガチャで始まる、クールで格好良いナンバー。 続く歌ものやスキャットも、まったりと美しく、Vangelisならでは。
  1. Come on 2.09
  2. We were all uprooted 6.48
  3. Sunny earth 6.38
  4. He-o 4.09
  5. Ritual 2.45
  6. Let it happen 4.20
  7. The city 1.17
  8. My face in the rain 4.19
  9. Watch out 2.50
  10. A song 3.32


Ignacio (1977)

Francois Reichenback 監督の映画 Etends - Tu Les Chiens Aboyer ? のサウンドトラック。 映画タイトルは「あの犬の吠え声を聞いたかい?」という意味らしい。それ以外については、詳細不明。 このアルバムはCD化の際に「奇蹟のランナー」なる訳分からん邦題が付けられて、ファンの間でも混乱を招いているようだ。「炎のランナー」に便乗して儲けようとの、レコード会社の魂胆見え見え。 要するに、イグナチオ、Tu Les Chiens Aboyer ?、奇蹟のランナーは同じ物である。

Barclay 813 042-2 - total time : 39.51


このCDでは1枚1曲になっているが、実際はいくつかのパートに分かれている。 導入部の優しい主題と、格好良いけどちょっぴり怖い副題で構成されている。 メロディはあまり前面に出ず、ゆったりと漂うような展開。 アンビエント的に聴くのもよし、個人的には結構気に入っている。 後半(旧アナログSide B)になると、これまでの様式美とは打って変わって、無節操。 ヘロヘロのテクノ・ロックンロールや、パーカッション現代音楽、ラストは脱力トロピカル。 この辺、ジャン・ミッシェル・ジャールのラスト・ルンバを連想なさった方も多いのでは。
  1. Ignacio 39.51


Beauboug (1978)

「霊感の館」なる邦題で知られる問題作。ウニョウニョした電子音が全編にわたってピロピロリーと鳴る作品で、リリース当時、評論家にも酷評されていた。ファンの間でも、特に人気のない作品だろう。 やはりジャーマンロック系のアヴァンギャルド・サイケデリック音楽(Conrad Schnitzlerや初期FAX+49-69-450464レーベルなど、特にNamlook III)に近いのだが、必ずしも電子音を弄くり回す作風ではない。 卓越したキーボード・プレイヤーならではの、シンフォニックなフレーズが幾つもちりばめられている。叙情的なメロディが不安定な音場の中で、空ろに漂うのだ。

- total time : 38.34


  1. Part 1 17.52
  2. Part 2 20.42


Chariots Of Fire (1981)

映画「炎のランナー」サウンドトラック。 ファンならずとも、誰もが知ってる名盤だろう。 公共メディアに使い倒されてきたこともあり、今更聴くと小恥ずかしさを覚えるほど。 だから後半20分のタイトル曲をお薦めしたい。ピアノと電子音を中心に、各主題を織り交ぜながらダイナミックに展開するシンフォニーが圧巻。

polydor 800 020-2 - total time :


前半のラストを飾る聖歌 Jerusalem (C.Hubert H.Parry / William Blake) は、EL&P のカバーで広く知られる。 アレンジは Harry Rabinowitz, コーラスは Ambrosian Singers, 指揮は John McCarthy とクレジットされている。 映画の方は図書館のビデオで見たものの、説教が始まったり、展開が進まなかったりで、早々に挫折してしまった。この映画の良さが解る方、教えて。
  • トラックリスト掲載省略


Soil Festivities (1984)

自然の営みをテーマにした、やや実験性の高いアンビエント作品。 ミニマルなリフレインで構成され、決まったメロディを持たず、派手さに欠けることから、あまり話題になることはない。 それでも個人的には傑作と思っている。邦題は「大地の祭礼」。

Polydor 823 396-2 - total time : 48.20


#1, #2, #4は、ゆったりとしたミニマル系。 ジャケットの写真が示すように、生命のサイクルを表現したのだろうか。 もちろんVangelisならではの、しっかりしたソロやアンサンブルも聴ける。 そして時折響く雷鳴が緊張感を高めている。アンビエント・テクノファンにもお薦めかも。 #3と#5はパーカッションを導入した、現代音楽風シンフォニー。 #5後半の美しいストリングス・シンセは、オリジナルLPでは収録されてなかったと記憶しているが、 誤りでしたら、ごめんなさい。
  1. Movement 1 18.20
  2. Movement 2 6.20
  3. Movement 3 6.06
  4. Movement 4 9.54
  5. Movement 5 7.20


Invisible Connections (1985)

このCDはポリドールからの1996年再発盤で、マインド・コンシャス・ミュージック・シリーズ「瞑想−見えない絆」と題されている。ジャケットも変更されているようで、写真はMichael Kenna という人。どこかで見たようなデザインだな、と思ったら Cluster / Grosses Wasser の実写版。

Grammophon POCG-3547 - total time :


さて、音の方だが「霊感の館」の続編かと思える内容。でも、こちらはパーカッションと電子音が主体。最初の8分くらいは、パーカッションやシンバルをガシャガシャ鳴らしながら、ミキサーのフェーダを派手に弄繰り回して、左右に音を振って遊んでいる感じ(Ignacio 後半の一節に近い)。以降は電子音が加わり、落ち着いてくる。3曲に分かれているけど、どれも同じようなもので、やはり Namlook III っぽいか。1985年リリースとなっているが、1977-78頃の録音ではないかと思われる。
  1. Invisible Connections 18.30
  2. Atom Blaster 7.42
  3. Thermo Vision 13.19


El Greco (1998)

重厚、荘厳、厳粛。
正直に書きますと、重い、暗い、退屈。アンビエントとして聴くには主張が強い気がする。時には声楽風の歌(vocal : Montserrat Caballe)も聞ける。73分ノンストップで、通して聴くには根性が必要。
この作品はもともと、画家エル・グレコ作品のギリシャ国外流出を阻止するためのキャンペーン・ソング?として制作されたもので、今回のリリースに向けて、新パートが追加されている。

eastwest AMCE-2960 - total time : 73.03


  • movements I - X


Aphrodite's Child / 666 (1972)

ギリシャのプログレッシブ・グループ、アフロディテス・チャイルドの2枚組み大作。Vangelis参加。一応トータルアルバムだが、バラエティ豊かな楽曲群がギッシリ詰め込まれ、ポップセンスあふれる曲から、気持ち悪い曲、カスみたいなトラックまで、何でもござれ。 筆者はアナログで所有し、長期間聴いていない。CD化され(祝!紙ジャケ)、入手もさほど困難でないと思うが、未入手。ヴァーティゴ・レーベル。


旧アナログSide1は、ポップな曲とギリシャ風民族音楽で構成されるが、雑な編集が目立つ。Side2はベストトラックと言える美しい演説入りインスト「エーゲ海」で幕を開けるが、不気味な間奏から、ハードロックに展開する。Side3は、ある意味Vangelisカラーの聴きやすい組曲だが、後半には問題の「∞」が控えている。コイツは家族には聴かせたことがない。Side4の大作インスト「満員」は、あちこちでSide1-3の一部が大音量でオーバーダビングされ、本編が聞こえず、訳が分からなくなる。もちろん「∞」も登場。本来はプログレ史上に残る名演なのに、惜しいです。ラストの小曲は良い。
  • トラックリスト掲載省略


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