Prince & The New Power Generation
Diamonds And Pearls (1991)

Paisley Park/Warner Bros. 9 25379-2 - total time 65:41


  1. Thunder 5:46
  2. Daddy Pop 5:17
  3. Diamonds and Pearls 4:44
  4. Cream 4:13
  5. Strollin' 3:47
  6. Willing and Able 5:00
  7. Gett Off 4:31
  8. Walk Don't Walk 3:07
  9. Jughead 4:57
  10. Money Don't Matter 2 Night 4:46
  11. Push 5:54
  12. Insatiable 6:39
  13. Live 4 Love 7:00

1990年夏にかけての通称 Nude Tour (来日コンサートあり) で同行したメンバーを中心に新バンド The New Power Generation を結成し、Prince and The New Power Generation 名義でリリースされた第1作。 折りしも大赤字を出してしまった映画グラフィティ・ブリッジの後始末が必要、という状況下で制作された「問題作」でもある。

当時の雑誌の紹介記事は、なかなか凄いものだった。 「黄昏のスーパー・ヒーロー」 「消費し尽くされた天才」 「トップギアで飛ばしていたクルマが、突然ローギアにシフトする。シフトダウンは通称 Black Album 発売中止の頃と見られる。ギア比はアンバランスながら、しばらくの間は速度を保っていたものの、ようやく落ち着くところに落ち着いた。その結果、勢いのない小粒な作品ばかりになった」などなど。

筆者にとっても第一印象は、上記に準じる。 リアルタイムで聴いた時は、かなり悲しかったというか、例の「1980年代のプリンスが帰ってくる」ことを願うだけだった。 旧来からのファンにとっては戸惑いをもたらすアルバムだったが、セールス的には大成功。 結果オーライで良かったと思う。

冒頭の Thunder は、明らかに When Doves Cry のリメイク。 プリンスは、もともと曲のリメイクやリアレンジが得意であるが、 このバージョンについては、一般リスナーに媚びた感じがするのは気のせいだろうか。 リズム体系もプリンス元来のものでなく、当時の音楽シーン(ハウスやヒップホップなど)の影響が感じられる。 「発展系」というよりも「二番煎じ」的なニュアンスか。 それでも改めて聴いてみると、そこまで悪くはない。

Dady Pop はあけすけにポップで、どうしちゃったの?感があるが、改めて聴いてみると、ベースラインが意外と活かす。 Diamond And Pearls は差し障りない音作りのバラードで、ロージー・ゲインズのボーカルが聴き所。 後のライブでのソロピアノ・パフォーマンスの方が人気あるようだ。 Cream は拍子抜けするほどシンプルなアレンジながら、2nd シングルカットされ、No.1 ヒット曲になった。 Strollin はフォービートのジャジーな名曲。 ファルセット・ボイスと多重コーラスが、美しいメロディに映える。 個人的にはアルバムでベストトラックと思っているが、シングルカットされた訳でもなく「隠れた名曲」になっている。

後半は、プリンス作品でも稀に見るほど邪悪な Gett Off(本作の1stシングル)が「浮いている」ことを除けば、差し障りない印象。 Gett Off はアルバムではなくて、マキシシングルでの鑑賞をお薦めする。 Walk Don't Walk のクラクションには「もっとヒネリなさい」と言いたくなる。 Jughead はラップ合戦で、このアルバムに収録する意義が、よく判らない(とにかくラップをやりたかっただけ?)。 Insatiable も後のライブでのソロピアノ・パフォーマンスがお薦めですかね。

改めて聴き返してみると、1990年代後半以降の作品に、そのエッセンスが現れていることが判る。
Daddy Pop → We Gets Up(Emancipation)
Money Don't Matter 2 Night → Lion Of Judah(Planet Erath)

時にはCDラックから取り出して、BGM代わりに流してみると、色々発見があるかもしれない。 今だからこそ見直してみたい作品だ。





初回限定ジャケットはホログラム付き。 少々見づらいが、プリンスの顔向きが変わって目を閉じたりする。 横のおねいさん方の顔はピンボケ気味。


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