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Crystal Ball (1997-1998)

NPG Records - total time 2:29:12


disc one
49:43
  1. Crystal Ball 10:28
  2. Dream Factory 3:07
  3. Acknowledge me 5:27
  4. Ripopgodazippa 4:39
  5. Love sign 3:52
  6. Hide the bone 5:03
  7. 2Morrow 4:13
  8. So dark 5:14
  9. Movie star 4:25
  10. Tell me how U wanna B done 3:15
disc two
49:48
  1. Interactive 3:03
  2. Da bang 3:19
  3. Calhoun Square 4:46
  4. What's my name 3:03
  5. Crucial 5:06
  6. An honest man 1:13
  7. Sexual suicide 3:39
  8. Cloreen baconskin 15:37
  9. Good love 4:55
  10. Strays of the world 5:07
disc three
49:41
  1. Days of wild 9:19
  2. Last heart 3:01
  3. Poom poom 4:32
  4. She gave her angels 3:52
  5. 18 & Over 5:40
  6. The ride 5:13
  7. Get loose 3:31
  8. P. control 5:59
  9. Make your mother happy 4:00
  10. Goodbye 4:34

Crystal Ball(通称クリボー)はネット通販(1-800-NEW-FUNK)でリリースされた、3枚組み未発表曲集。 いわゆるオフィシャル・ブートレグとの位置づけで、後にBMG系列(国内盤は日本クラウン)から店頭版もリリースされている。 画像は店頭版のパッケージ。 店頭版はアコースティック・アルバム the truth をセットした4枚組み、通販版は更に Kamasutra を追加した5枚組み仕様となっているので、購入にあたっては注意されたい。 再発されない限り、現物入手は中古またはネットオークション経由となるので、念を入れて確認するべきである。 同じタイトルのブートレグも存在するので、混同しないように。

この作品は「1985年前後の未発表曲を一挙収録」と紹介されることもあるが、それは誤りで、大半は1990年代以降の録音である。 それらがバラバラに収録されているので、通して聴いても整合性は今ひとつ。 それ以前に、収録されなかった名曲群が、あまりに多いことに気付く。 これは Prince & The Revolusion 名義の作品(特にWendy & Lisa 参加作品)が全て外されたことに因るらしい。 のちに同名義の未発表曲集 The Roadhouse Garden がアナウンスされるものの反故にされている。 追い討ちをかけるように、1980年代の音源はカット編集だらけ(全長版ではない)という、つらい現実がある。

3枚組みながら、各ディスクの収録時間は50分足らずで、時間だけに着目すれば2枚に収録可能。 それ以前に「各ディスクの収録時間を50分弱に揃えること」が仕様だったようである。 個人的な感想ながら、やはり納得いかない。

結局は、古い低音質のブートレグを手放せない、という結果に終わってしまった。

以上のように苦言だらけの評価になったが、「1980年代の音源」にさえ拘らなければ、素晴らしい内容であることを付け加えておきたい。

disc 1)
タイトル曲の1-1(Crystal Ball)は、 アルバムCrystal BallあるいはDream Factoryにて用意されながらお蔵入りとなった、定番未発表曲。 妖しげなシンフォニック・ジャズ・ファンク大作で、極めて独創的。 そして中盤以降の目くるめく展開が圧巻。 非常に残念ながら、ここに収録されるバージョンは完全版ではなく、緩急目まぐるしく入れ替わるパート(8分20秒頃)がカットされている。 あのメロトロン風ストリングス・ソロは聴けない。
1-2(Dream Factory)は、幻のアルバムDream Factoryの主題曲。 調子外れで猥雑で、カミール声(ピッチを速めた声)とクラッパー炸裂の、いかにもプリンスらしい名作。 残念ながら、これも短く編集されているみたい。
1-3(Acknowledge me)は一聴して時系列が進んだことが分かる、重厚ファンク。 アルバム The Gold Experience のために制作されたが、P. Control に差し替えられたとのこと。
1-4(Ripopgodazippa)は珍しく、レゲエ。同種の曲 The Blue Light("Love Symbol")よりもクールな仕上がり。
1-5(Love sign)は発売中止になったMaxi Singleから。D.M.S.R.からのサンプリングが上手くマッチしている。
1-6(Hide the bone)は Shockadelica を強く連想させられるものの、NPG参加とのことで、録音時期が異なるようだ。 ちなみの"bone"はスラングで、身体の一部(棒状のもの)を指すらしい。
1-7(2Morrow)は、Love sign をアンビエントスタイルにしたかのような、しっとりた佳作曲。 意外に手の込んだアレンジあり、けっこう楽しめる。
1-8(So dark)は一人多重コーラスによるバラード系。アルバム Come からの別バージョン。
1-9(Movie star)は定番未発表曲。トリッキーでジャジーな名曲。
1-10(Tell me how U wanna B done)は The Continental("Love Symbol")の後半部分の別ミックス。

disc 2)
2-1(Interactive)は同名CD-ROMソフト(未入手)の主題曲だが、もろエンドルフィンマシーン(The Gold Experience)の別テイクといった趣き。 典型的な1990年代バンド風の音作り。
2-2(Da bang)はブルース調の主題と高速ロックが交互に入る、ユニークな曲。 プリンスの金切り声が凄い。
2-3(Calhoun Square), 2-4(What's my name)も新らし目の曲に聴こえる。
2-5(Crucial)は定番未発表曲で、アルバムSign 'O' The Timesのラストに収録予定だったとされる(Adoreに差し替え)。 個人的にこの曲のオフィシャルリリースを心から待ち望んでいたが、音を聴いて失望した。 エリック・リーズのSAXが削除され、スカスカになってしまった上に、途中でフェイドアウトと、見る影もない。 ブックレットには「全楽器プリンス本人による」とクレジットされており、そのためにSAXをカットしたの?
2-6(An honest man)は、映画 Under The Cherry Moon で流れるロマンティックなピアノ曲と同タイトルながら、これは全くの別物。 ボーカル多重録音によるゴスペル。 難解なメロディの奇妙な短編だが、Crucialを打ち切って乱入するウザい曲との不遇な評価は避けられない。
2-7(Sexual suicide)は定番未発表曲で、ミュート・トランペットを模した、エッチなシンセが炸裂する名曲。 ボーカルトラックは、若干のミックス変更がされているらしい。
2-8(Cloreen baconskin)は、この曲のためにクリボーは存在すると断言できる、最強トラック。 The Time 2ndアルバム録音時の、モーリス・デイとのセッションとされる。 淡々とエイトビートを刻みながら、時には情熱的なアドリブを加えるドラムスに、唸るような重厚ベース。 そしてプリンスのボーカル・パフォーマンスが炸裂するだけの曲。 これが延々15分余り。 いやーファンキーで最高。 フェイドアウトで終わるけど、おそらく続きがあるんだろうな、それも30分とか1時間とか。 中途半端な2-5は要らんから、これだけディスク1枚演ってくれた方が嬉しかったなぁ。
2-9(Good love)はサントラ Bright Light Big City から。 カミール声のハッピーな名曲ながら、30秒ほど短縮され、終了後には効果音が流れるように編集されている。
2-10(Strays of the world)はドラマティックで圧巻。目くるめく展開の、凄い曲ですね。

disc 3)
3-1(Days of wild)は当時のライブの盛り上げ定番曲。 ここに収録されるのはスタジオバージョンではなく、ライブ録音。 しかし、なんでこんなのクリボーに入れるんやろか、NPGのアルバムに突っ込んどけば良いのに。 貴重な時間を10分近くも食ってるよ〜。 NPGオペレータで3-2に続くところなど、違和感あり。
3-2(Last heart)は、これまで正式リリースされなかったのが不思議なほどの、定番未発表曲。 The Last Heart You Ever Break...との歌詞が切ない。
3-3(Poom poom)はタイトルどおり、プンプンプンプン....を繰り返す、コミカルな曲。
3-5(18 & Over)や3-7(Get loose)はアルバム Come からのリミックスだし、 3-8(P. control)はアルバム The Gold Experience からのリミックスだし、 3-6(The ride)は同時期のライブ(ブルース)定番曲だし、、、
3-9(Make your mother happy)はエキセントリックなアイディアに満ちた、奇妙な名曲。 ほとんどブートで出回っていなかったと記憶している。 Girls & Boys を性急にしたような曲調で、このdiscの目玉かな。
3-10(Goodbye)は癒し系の、しっとりした美しいバラード。 アルバムのラストにふさわしい曲である。 もともとアルバム emancipation のアウトテイクで、The Holy River に変更されたらしいが、この措置は正解だったと思える。

1-800-NEW-FUNKから購入した場合、後日、カセットThe Warが無償配布されている。



店頭版 4CD
ブックレット(店頭版)



通販版 5CD

店頭版は厚型の4枚組みプラスチックケースに、丸形に切り抜かれたブックレットが付属している。 歌詞は掲載されず、各曲の概要が記されている。 通販版はジャケット等は一切付属せず、サイトからダウンロードする仕様だった。 手の込んだ歌詞サイトも開設されていたが、残念ながら筆者は保存していない。


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