Prince
20Ten (July 10, 2010)

Daily Mirror/Rolling Stone magazine - total time 40:07

  1. Compassion 3:57
  2. Beginning Endlessly 5:27
  3. Future Soul Song 5:08
  4. Sticky Like Glue 4:46
  5. Act of God 3:13
  6. Lavaux 3:03
  7. Walk in Sand 3:29
  8. Sea of Everything 3:49
  9. Everybody Loves Me 4:08
  10. Laydown (hidden track 77) 3:07

タイトルの20Tenは2010年を表し、Twenty Tenと読む。 ちょうどNineteen Ninety-Nine (1999) と同じ理屈だが、 Twenty Tenと読ませるために20Tenと表記したのだろう。

この作品は、Planet Earthと同様に、またしても新聞・雑誌の付録として、「無料CD」で配布される。
2010年7月10日 the Daily Mirror / the Daily Record(英国、アイルランド、ベルギー)
2010年7月22日 Rolling Stone magazine(ドイツのみ)
一時的に国内入荷したが、すぐに姿を消した。 後に新曲 Rich Friends などを追加し"deluxe edition"としてリリースされる構想があったらしいが、やはりというか音沙汰なし。 結局はプレミア価格の中古盤に落ち着いたようである。

さてこの作品、海外のレビューによれば、MPLSoUND の後継であり、Purple Rain 以来の傑作なのだそうだが、そこまで煽られると、思わず眉に唾をつけてしまう。

運良く音を聴く機会を得たので、ざっと印象を述べておく。 表面的にはMPLSoUNDっぽいサウンドながら、決定的な違いは、変態チックなカミールボイスを、ほとんど聴けないこと。 まじめにポップで、落ち着いた曲作りになっている。 言い換えれば、面白みとしては今ひとつ。 確かにクラッパーも多用されて、1980年代風の音に仕上がっているっぽいのだが。 アルバム後半は曲間がほとんどなく、メドレー的に次々繰り出される点、プリンスらしさを感じることができる。

1曲目Compassion(思いやり)では、久しぶりに性急なビートが聴けて嬉しくなる。 クラッパーも全開で炸裂。 海外のレビューでは「Delirious や Let's Pretend We're Married の再来」と騒がれたが、筆者には全くそれらしく聴こえなかった。 なぜなら、ミニマルではないから。 せいぜい「Jack U Off」か「Horny Toad」あたりでしょう。 この先は次第にBPMを下げていく構成。 公式にはラストナンバーとなる#9 Everybody Loves Me は、#1同様に性急でキャッチーなポップナンバー。 脳内リピートするほど中毒性があった。

最後の Laydown (曲想はFace Downに似ている)は、CDでは77トラックに収録されており、Everybody Loves Me 以降、無音の細切れトラックが次々現れる。 CDを焼きなおした方が、ストレスなく聴けるかもしれない。 ちなみにLaydownは続き(5分台のLong Version)があるそうだ。

歌詞の内容は他所で読んだが、神を題材とするケースでも、特定の宗教を前面に出さず、普遍的なコンセプトになっているようだ。 #5については「神が手を下す事」にしては小さいというか。

音質は、MPLSoUNDよりは歪みが低減されたものの、 相変わらずピークレベルが圧縮され、メリハリ(ビートの心地よさ)が無い。 #2では、あの嫌な歪み(映画館のスーパーウーファーみたいな)が耳障り。

本作には、LotusFlow3r以降にネットで発表された新曲群、 Purple and Gold, Cause and Effect, Hot Summer, PFUnk, In a Large Room With No Light(これは1980年代の未発表曲で、ズバリ名曲) は収録されなかった。


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