Mike Oldfield
The Songs Of Distant Earth (1994)

Warner Misic UK 4509 98581 2 - total time : 55.40


  1. In The Beginning 1.24
  2. Let There Be Light 4.57
  3. Supernova 3.23
  4. Magellan 4.40
  5. First Landing 1.16
  6. Oceania 3.19
  7. Only Time Will Tell 4.26
  8. Prayer For The Earth 2.09
  9. Lament For Atlantis 2.43
  10. The Chamber 1.48
  11. Hibernaculum 3.32
  12. Tubular World 3.22
  13. The Shining Ones 2.59
  14. Crystal Clear 5.42
  15. The Sunken Forest 2.37
  16. Ascension 5.49
  17. A New Beginning 1.33

アーサーCクラークの小説「遥かなる地球の歌」を題材にした、長編シンフォニー。 小説の設定は、次のとおり(うろ覚えです、ご容赦を)。 太陽活動の活発化により住環境に適さなくなりつつある地球から、新たな居住惑星を求めて、多くの移民船が旅立った。 それから更に膨大な年月が経過し、人類の子孫が平和に暮らしている海惑星サラッサが物語の舞台となる。 ある日、惑星セーガンIIに向かう移民船マゼラン号が物資補給のため、サラッサに立ち寄るところから物語は始まる。 人々の出会い、恋、サラッサの探索など短いエピソードがオムニバス的に展開し、 言いかえれば、これといった「あらすじ」や「クライマックス」の見当たらない、日常的なストーリーといえる。

さて、このCDの内容だが、小説のストーリーとは特に関連ない。 グラウンドビートを基調にしたスローなアンビエントハウスに、マイクのエレクトリック・ギターが絡む。 聖歌や儀式を思わせるボイス、エスニックなコーラス隊。 全般にサウンドエフェクトが深く、浮遊感あふれるエレクトロニック音楽に仕上がっている。 ファンタジックで、和める作品だ。 一方で、前作のようなきらびやかさや、初期作品のようなアコースティックな手作り感は、控えめになっている。

作品の構成は、曲分けされているが、ほぼ全編ノンストップ。 #9と#10の間に瞬間的な空白があるようだが、前半・後半を区別するほどのものではない (#10から聴き始めても良いが、#9では終われない)。 特に「前半」の流れは見事なもの。 最近の作品のようなギクシャク感は無く、これほどスムーズな展開は久しぶりに聴いたように思う。 途中でMan in the rain (Tubular Bells lll)のフレーズが現れるので、探してみると良いだろう。 そして「後半」、The Chamber - Hibernaculum の、究極の賛美歌に心を打たれる。 以降は短い曲をつなぎ合わせて、Ascension で強制的にまとめた感じかな。 ラストのアフリカン?コーラス隊のソロは、とても地上的なイメージ。 長い旅から地上に戻ったような、あるいは地上から宇宙を崇めるような。 タイトルのA New Beginning も、Amarok終盤の演説内容と関連しているようで、意味深っぽいです。

小説の終盤、物資調達を終えたマゼラン号がサラッサを旅立つ。 セーガンIIにたどり着けば、何世代にもわたる長大な環境改善プロジェクトが始まる。 つまり、2度と再会することはない、永久の別れ。 別れのセレモニーで、サラッサの住人たちはシンフォニーを奏でる。 ここまで小説を読み、「そうか!これだったのか!」と、ようやく気付いた次第。 このようなシチュエーションでは、涙なしでは聴けません。

この作品は、ENIGMAに近いサウンドといわれている。 Islands 収録のThe Time Has Come 制作にMichael Cretu が参画していることもあり、 互いに影響されあったことは、容易に想像がつく。 もしご興味あるなら、ENIGMAの"MCMXC A.d." "Cross Of Changes"も併せて聴いてみると良いだろう。



輸入盤ディスク
国内盤ディスク

輸入盤と国内盤とで、質感がかなり異なる。 個人の好みもあると思うが、光沢のある輸入盤に比べ、国盤はベタ塗り印刷でイマイチ。


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