Mike Oldfield
Platinum (1979)

Virgin CDV 2141 - total time 37:41


  1. Platinum :
    Part1 Airborne 5:05
  2. Part2 Platinum 6:06
  3. Part3 Charleston 3:17
  4. Part4 North Star / Platinum Finale 4:49
  5. Woodhenge 4:05
  6. NOT Sally (into wonderland) 3:46
  7. Punkadiddle 5:46
  8. I Got Rhythm 4:44

Incantationsに続く、5番目のスタジオ・アルバム。 サウンドはこれまでと大幅に変わり、非常にポップになった。 当時流行したフュージョンやディスコ、さらにファンクまでもが大胆に取り入れられている。 実際のところ、大掛かりなコンサートツアーExposed で発生した赤字を解消するために、ある程度のセールスが必要だったらしい。 当時の国内盤アナログのキャッチコピーは「初心者のためのマイクオールドフィールド」だったと思う。

トラックリストの6曲目、NOT Sally (into wonderland) に注目ください。 現在出回っているCDは、単にSally と記されているが、これは誤記で正しくはInto Wonderland である。 Sally とInto Wonderland は異なる曲で、Into Wonderland はSally を編曲した作品とされている。 以降、混同を避けるためオリジナルSallyと表記する。 経緯については後述するので、参照ください。 まずは、ひととおり聴いてみよう。

Airborne (Platinum Part1)
20分にわたる組曲Platinam の第1章。 過去の作品に比べると骨太なミックスだが、マイクらしいアレンジになっている。 序盤のベースは次回作QE2 の牡羊座シリーズに続いていく。 また、3:26頃に現れるフレーズは、オリジナルSallyのメインコーラス部分。 よってオリジナルSallyがアルバム全体の要になっているとの見方もできる。
Platinum (Platinum Part2)
マイクのギターで綴るファンク・ナンバー。 リズム強調気味のミックスで、地味に2部構成になっている。
Charleston (Platinum Part3)
Peter Gordon and Michael RiesmanによるホーンセクションとIncantationsを思わせるフレーズが交錯するディスコ・ナンバー。ライブではホーンの代わりにピアノがフィーチャーされ、聴き所になっている。途中の気合の抜けた女声コーラスはDavid Bedfordのアレンジ、ということになるのかな?
North Star (Platinum Part4)
ミニマルの巨匠、フィリップ・グラスPhilip Glassのカバー曲。大幅なアレンジが施されており、前半部のギターソロはマイクのオリジナルと言っても良い程。終盤のコーラスが、かろうじて原曲のイメージをとどめている。 その原曲は、実はIncantations Part1 のコーラス隊にそっくりという、因果めいたものを感じてしまう。
Woodhenge
パーカッションを主体とした、妖しい雰囲気のインスト。終盤に、サリー・クーパーによるチューブラーベルの響きと共にオリジナルSallyに続くはずだったが....
NOT Sally (into wonderland)
前曲に被さるように始まる、たった、たった、たった、たった、、というイントロはオリジナルSally。0:06、テープ編集の跡があり、シンセがミョーンと鳴る。ここからが「into Wonderland」。ボーカルは(たぶん)ウエンディ・ロバーツWendy Robertsで、なんだかフワフワした感覚の普遍的ラブソング。途中、初期ヒット曲ポーツマスを連想させるキーボード・ソロなど聴き所はあるのだが。ラストの「I Love You ....」に続いて一瞬の空白、そして.....
Punkadiddle
強烈なカットインでいきなり始まるこの曲は、Incantationsの変奏によるギターソロと、オリジナルSallyメインコーラスがインストゥルメンタルで畳み掛けてくる。 でもこれは、オリジナルSallyのクライマックス。 0:50、ここからが本来のパンカディドル。次回作、牡羊座のテーマとともに、ほいっ、ほいっ、うわーぁ、っと掛け声が入る、コミカルな曲。オリジナルSallyと続けて聴くと、高揚した気持ちで一気に駆け抜ける(暴走する)、そんなイメージが伝わってくる。
I Got Rhythm
本作の締めを飾る、落ち着いた雰囲気の曲。 Punkadiddle の高揚に対応するチルアウト・ソングかも。 GEORGE/IRA GERSHWIN の作曲ながら、私はその素性を知りません。サウンドの聴き所は、後半のギターソロやベルでしょうか。基本はバラードながら、鼠海の出し物(かなり昔のものだが)では、アップテンポなダンスナンバーになっていた。

Sallyについて)
当時の恋人、サリー・クーパーSally Cooperに宛てた、私的な曲とされている。 メインコーラスの歌詞は、Sally, I'm just a gorilla, I say, I love you ever more ...というユニークなもの(gorillaには、醜い男性という意味もあるらしい)で、マイク自身がボーカルをとる。 マイクのボーカルは上手くないとされるが、この曲では多重録音やエフェクト処理(ボコーダっぽく聴こえる)が施され、むしろ良い味わいを出していると思う。 本来は、次トラックPunkadiddle がノンストップで続き、後半の山場を形成する、非常に重要なトラックだった。 蛇足ながら、Grand Funk Railroad にも Sally というヒット曲があるが、これは無関係。 Anyone's Daughter の同曲も無関係。

この曲はオリジナルのアナログ盤ファーストプレス約3万枚に収録されたが、Virgin社長のリチャード・ブランソンがこの曲を好まず、セカンドプレス以降「into wonderland」に差し替えてしまった。 当時の国内盤LPも時既に遅く、中身はinto wonderland になっていた。 現在出回っている全てのCDも、into wonderland が収録される。 しかもCDでは、「Sally」と誤記されている。 Universal Musicからのリイシューでは、残念ながらタイトルの誤記が修正される模様である。

Sallyの聴き方)
理想はファーストプレスLP入手であるが、極めて困難。
Platunum (original edit) コーナーを参照ください。



オリジナルジャケット
裏面



CDV 2141 (従来版CD)
HDCD

CDジャケットは、センスのかけらもないデカいタイトル文字が目障り。 ジャケにこだわるなら東芝EMIの紙ジャケットだが、 Universal Musicからのリイシューがあるかもしれないので、様子見た方が良さそう。


<−前へ.. [先頭] ..次へ−>

EXIT