Mike Oldfield
Music of the Spheres (2008-03-16)

Universal Music - total time : 45.24
Track 1-7 : Part 1, Track 8-14 : Part 2


  1. Harbinger 4.08
  2. Animus 3.09
  3. Silhouette 3.19
  4. Shabda 3.57
  5. The Tempest 5.48
  6. Harbinger (reprise) 1.30
  7. On My Heart 2.26 Featuring Hayley Westenra  
  8. Aurora 3.42
  9. Prophecy 2.54
  10. On My Heart (reprise) 1.16
  11. Harmonia Mundi 3.46
  12. The Other Side 1.28
  13. Empyrean 1.37
  14. Musica Universalis 6.24

オーケストラをフィーチャーした、入魂の一作。 アルバム1枚、2部構成で展開する、久しぶりの長編作といえる。 オーケストレーションはソフトマシーンやアディエマスで知られるカール・ジェンキンスが担当している。

当初、2007年11月12日発売と告知されたものの、アーティストの意向により4ヶ月あまり延期された経緯がある。 公式には「奥様の出産予定日が12月に控えており、十分なプロモーション活動が出来なくなるので、やむなく延期する」とのことだった(誕生は2008年1月)。 また同時期にイングランドからスペイン・マジョルカ島へ引っ越しており、プライベート面で多忙だったのは事実だろう。

初っ端から、Tubular Bells の変奏曲でスタートする。 まるで「センチネル」や「秘密の源」を思わせるが、 オーケストラ・サウンドなので、もしかしてオーケストラル・チューブラーベルズ2なのでは、と考えてしまう。 「俺の曲には、これは無くてはならないもの」という主張さえ感じられる。 このフレーズを真似て弾いてみると、キーになるE音が途中でDに下がる。 この動きは、これまで有りそうで無かったものと思う。

しかし2曲目からは、チューブラーベルズの展開から離れていく(さしあたり、そういうことにする)。 基本はオーケストラ+ピアノ+アコースティック・ギター。 最近のトレンドだった電子楽器(含むソフトシンセ)は使用されないようだ。 ゆったりとした展開だが、マイクらしさは十二分に発揮されていると思う。

女声コーラス隊によるShabda(歌詞は聞きなれない言葉、造語?)より、曲は一気に動き始める。 Harbingerの変奏曲(要はチューブラーベルズ)で山場となり、 そして、これまた美しいソプラノ・ボーカルナンバー、On My Heartにて前半の幕を閉じる。

後半は、本作で最も躍動的な(と思われる)オーロラで幕を開ける。 そして前半の代表曲を織り交ぜながら、また違った展開を楽しめる。 以降、短いパートが続き、曲はサクサクと進んでいく。

ファンファーレのようなEmpyreanを経て、最終トラックへ。 6分あまりの演奏時間。 ファンならば、ある展開を期待してしまうだろう。 あれで始まるなら、終わりは、これ。 ストリングスで奏でられるリフレイン。 ピアノ、グロッケンシュピル、アコースティック・ギターへと引き継がれる旋律。 多種の楽器を使っているわけではないので、紹介は入らないものの、クライマックスでは、しっかり鳴ってます。 ちょっと抑え気味なところが、かえって緊張感を高め、スリリングでさえもある。 嬉しくなっちゃいますよね。

クライマックスでは太鼓が使われるものの、オマドーンやアマロックのようなアフリカン・ドラム隊ではない。 その点、ちょっと薄味かも。

各曲をイメージ付けすると、以下のようになる。独断と偏見に注意。
Shabda : Excalibur / unreleased track from The Millennium Bell
The Tempest : Crisis 後半部分
Aurora : Incantations Part3 冒頭部分

アディエマスのレコーディングは、まずシンセのバッキングを制作してからボーカルパートを録音し、 後から順次オーケストラに差し替える手法がとられる。 なので、もしかしたら本作もデモ版MIXが存在するのでは?と勝手に想像するのも楽しいものである。

まとめ)
オーケストラを主体とするクラシカルな作品とされるが、 いわゆるクラシック然とした重さは感じられず、意外と軽やかに聴けるシンフォニー。 いままでどおりの、マイクの音楽そのものといえる。 ロック色、テクノ色、あるいは宅録風の鋭さを期待するべくもないが、これはこれで有りかと思う。 逆にケルトやトラッドを期待すれば、かなり満足できるはず。 面子さえ揃えば、ライブパフォーマンスは抜群でしょう。

発売にあたり、2008年3月7日、スペイン Bilbao (the Guggenheim Museum)にてプレミアライブが行われ、 その音源はiTunesにて公式リリースされている。 10ヶ月後、2008年11月24日にスペシャルエディション(本編+ライブ版 2枚組)としてCDリリースされた。 ただ、過去作品のリリース形態から「将来、DVDリリースがあるのでは?」との憶測もできそうだ(ファンの間で、このような指摘が実際にあった)。

基本的にクラシックスタイルなので、ライブ的なスリルは期待薄かもしれない。 しかし、アルバムとは微妙に異なるアレンジが各部にちりばめられ、ちょっとした別ミックスとして楽しめるようになっている。 また、会場録音であることから柔らかいエコーに包まれており、マイクのギターの響きも、スタジオ版とは異なっている(少しだけ強調された演奏だ)。 目だった違いとしては、Harbinger (reprise)の冒頭で、女声コーラスがアウアウ言ってること。 また、ラストのMusica UniversalisではBPMが加速している。 その影響か、演奏時間が44分35秒と若干短くなっている。 ただ、チューブラーベルは鳴っていないようだ。 それ以外では、音とは関係ないが、トラック割りが変更された箇所もある。 参考データとして、ライブ版のトラックリストを加えておく。

  1. Harbinger 4.09
  2. Animus 3.04
  3. Silhouette 3.19
  4. Shabda 4.01
  5. The Tempest 5.38
  6. Harbinger (reprise) 1.27
  7. On My Heart 2.26  
  8. Aurora 3.38
  9. Prophecy 2.58
  10. On My Heart (reprise) 1.08
  11. Harmonia Mundi 3.10
  12. The Other Side 1.27
  13. Empyrean 1.57
  14. Musica Universalis 6.13


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