Mike Oldfield
Light + Shade (Sep 2005)

Mercury 9873642 - total time : 45.51 + 45.55


disc 1 : light
  1. Angelique 4.40
  2. Blackbird 4.39
  3. Gate 4.14
  4. First Steps 10.02
  5. Closer 2.51
  6. Our Father 6.50
  7. Rocky 3.19
  8. Sunset 5.14
  9. Près De Toi (UK Bonus Track) 3.58
  10. U-MYX FORMAT 73.1MB
disc 2 : shade
  1. Quicksilver 5.55
  2. Resolution 4.33
  3. Slipstream 5.45
  4. Surfing 5.36
  5. Tears Of An Angel 5.38
  6. Romance 4.00
  7. Ringscape 4.22
  8. Nightshade 5.39
  9. Lakme - Fruity Loops (UK Bonus Track) 4.55

純粋な「新曲」としては3年ぶりとなる意欲作。 本作ではWindows PCのソフトウェア・シンセサイザ FL Studio を導入している(従来はMAC使用)。 ゲストミュージシャンのクレジットもなく、マイク一人の制作だが、 女性ボーカル(歌詞あり)さえも聴こえてくる。 どこか音声合成風というかロボット的なボーカルは、 VirSyn Software Synthesizer社のVOCALOID CANTOR が使われている。

FL StudioはベルギーImage Line社の音楽制作ソフトで、 マスコットキャラクターFL Chanを踊らせることも可能だが、こちらは2008年2月の「FL Studio 8」からである(当時は未登場)。

このアルバムから2年近く経過して発売されたVOCALOID2「初音ミク」が、 DTMの一大ブームを巻き起こしたことはご存じのとおりだが、 CANTORはYAMAHAのVOCALOID/VOCALOID2とは異なるもののようだ。 さすがに後発のVOCALOID2にアドバンテージがあるそうだが、 やはりマイクの「調教」は見事なものである。

以上のように、本作は一部ギターやキーボードを除いて、完全なDTMアルバムということで、かつて(人力多重録音)のようなスリルは無いかもしれない。 DTMブームの今だからこそ、巨匠によるDTMをしっかり堪能したい。

トータル1時間半程度ながら2枚組みの大作で、 disc 1にはリミックス体験ソフトU-MYX FORMATも付属している。 何故かUK盤のみボーナストラック2曲収録。 当サイトで紹介するCDは、UK盤である。

各ディスクはそれぞれLight, Shadeとタイトルが付けられている。 Lightが「ゆったり系」Shadeが「アップテンポ」とのことだが、 実際Shade側にテクノ系トラックが数曲あるものの、それほど際立った特徴があるわけでもない。 むしろスタイルではなく、安らかなLight、どことなく悲しさが漂うShadeというフィーリングを感じ取れ、ということらしい。 テクノ系とはいえ決してフロア向けではなく、意外に90年代Klaus Schulze風である。 Tr3s Lunas (Music VR) からも、いくらか流用されている(例えば最長トラックの#1-4 First Steps、まぁForeign Affairだったりしますが)。
#2-4 Surfingは、VOCALOID CANTORをフィーチャーしたボーカルナンバー。 ボコーダー風にアレンジされたボーカルが哀愁感を演出する。ベストトラックとの呼び声高し。
The Doges Palace(フィリップグラス風?)ストリングスで始まる#2-5は、程なくボーカルパートに転向する。 こちらはサンプリングボイスか?
#2-6 Romanceは「禁じられた遊び」のテクノカバー(ミレニアムベルの没版を思わせるなぁ)。 これまで述べたとおり、サウンドは、まんまTr3s Lunas & TSODEであり、打ち込みやサンプル然としたものだが、随所でギターがフィーチャーされ、持ち前の美しいメロディと真面目な作風ゆえに、多くの音楽ファンにもお薦めできる好盤に仕上がっている。 そのうち気が向いたら、各曲紹介予定。

☆☆ボーナストラックについて☆☆
#1-9は、#1-5 Closerの別バージョン。 ブルースっぽいCloserに比べるとトラッド色が強く、 アコギを中心にバグパイプ隊(っぽいサウンド)を従えて盛り上がります。
#2-9は、ドリーブ(Delibes)のオペラ「ラクメ」のカバー。 イントロはアコギ中心のトラッド風ながら、 明朗で疾走感のあるダンストラックになっている。 エンディングを爽やかに締めくくります。 どことなくavexな香りがするのは気のせいか。
どちらのトラックも、オマケにしておくには勿体無いほどの出来栄え。2枚とも、ボーナストラックの前に、20秒あまりの無音が入ります。

☆☆U-MYX FORMATについて☆☆
Quicksilver, Our Father, Slipstream, Angelique のリミックスが体験できる。 機能は、各パートの簡易的なミュートと音量バランスの変更。 フェーダイメージで編集できるので、フェードイン・フェードアウトも簡単。 原曲の音源データを使うので真新しいMIXができるわけではないが、 トラックの構成を、ばらばらにして聴けるので、遊び甲斐はあると思う。 ドラムを消してアンビエント程度なら、とても簡単。 WAVデータ等で保存して、CDに焼いたりMP3プレーヤにも転送可能。 それから、CD上のファイルをHDDに落としても、問題なく動作するようである。

サンプル音源を聴いた段階では、正直なところ今回は購入見送りか?と本気で考えていた。 しかし、UK盤を目の当たりにし、U-MYX FORMATで遊んでみたかったので買ってしまった。 商売上手である。 ちなみに通常のCD-DA仕様なのもポイント高し。

UK盤の見分け方は、ケースのシール "*SPECIAL EDITION Universal"が目印だが、 裏面のトラックリスト(字が小さく目立たない)も確実にチェックしておいた方が良いだろう。

ジャケットは一見マイクの顔写真だが、 実際は金網越しに見る海(湖?)であり、CG処理によって金網上にマイクの顔が浮かび上がっている。 中央のリングは、チューブラー管の変形。 画像の赤色系ジャケットはLightサイドであるが、裏返すと青色系のShadeが現れる(上下反転)。 時には青表紙が表になって売られているが、どちらを買っても同じと言える。



Light disc
Shade disc



ボーナストラック付きステッカー
裏面のトラックリスト


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