Mike Oldfield
Boxed (1975)

Virgin CDBOX1, total time 2:45:05 review bottom


CD 1
56:02
  1. Tubular Bells Part One (remixed) 25:49
  2. Tubular Bells Part Two (remixed) 25:45
  3. The Rio Grande 6:34
  4. Portsmouth 2:04
  5. In Dulci Jubilo 2:51
CD 2
48:47
  1. Hergest Ridge Part One (remixed) 21:24
  2. Hergest Ridge Part Two (remixed) 18:46
  3. An Extract From Star's End 7:33
  4. Argiers 3:59
  5. Speak (Tho You Only Say Farewell) 2:59
CD 3
67:15
  1. Ommadawn Part One (remixed)
  2. Ommadawn Part Two (remixed)
  3. The Phaeacian Games 3:59
  4. First Excursion 5:57

マイクはTubular BellsからOmmadawnまでの3作品をコンスタントにリリースしましたが、 神経をすり減らすような多重録音作業を続けた結果、精神的な療養が必要になりました。 そして、次回作Incantationsまで、約3年間のブランクとなりますが、その間にVirgin Records が「つなぎ」としてリリースしたのが、このBoxedです。 当時はアナログLP4枚組みで発売され、うち3枚が、それぞれTubular Bells、Hergest Ridge、Ommadawnであり、4枚目はシングルやコラボレーション作品が収録されていました。 CD化にあたり、4枚目が各3作のボーナストラックに変更され、3枚にまとめられています。 いわゆる企画物セット(後に「うんざりするほど」リリースされ続けている)の第1弾になりましたが、以下のとおり音源としての価値が高いので、ファンならば入手しておきたいところです。

・LP版は4チャンネル音源(注1)
・Tubular Bells, Hergest Ridge, Ommadawnは、オリジナル・アルバムとは別ミックス(注2)
(注1)4チャンネル音源とCDとの相違については、未検証。
(注2)VirginレーベルからのHergest RidgeのCD版は全て、この別ミックスが収録されている。

このCD購入にあたって、以下の注意が必要です。
「一部のロットに、通常ミックスのTubular Bells Part Oneが収録されているバージョンがある。」
情報によれば、Discの内周に印刷された英数字列の最後が「1A」で終わるものがBoxdミックス、「1B」ならば通常ミックスとされるが、筆者が入手したEU盤は、そのどちらでもない。可能であるなら、購入前に演奏時間を確認すると良い。 Boxdミックスならば25:49、通常ミックスならば25:33と、30秒弱の違いがあるはずである。比較的高価なアイテムなので、ミスしないように対応しよう。 ネットオークション等で購入するなら、トラブルにならないよう、十分に念押ししておくべき。

このセットは従来、Virgin Records より少量ながら流通されていた。 しかし、2009年のUniversal Music への版権移管にともなって、廃盤になった。 リイシュー計画の有無については、現状不明。 デビッド・ベッドフォードの作品が含まれているので、そのままでのリイシューは無理かもしれない。

Tubular Bells Part One)
オリジナルアルバム(初期版)に比べて、各楽器の音が明瞭。 差し替えられたパートもあり、オリジナルでは聴こえないフレーズもあり、とても興味深い。 また、30秒弱延長されたロングバージョンで、13:50頃に始まるハミングが3コーラスになっている(通常版は2コーラスのみ)。 また「Grand Piano ...」前のベースパートも1コーラス追加されている。 New stereo mix by Mike Oldfield, Bahamas, March 2009と同じ構成だが、10秒ほど時間が短いのは、わずかにピッチが速い所為らしい。 ... plus Tubular Bellsで鳴る鐘の音は、どこか音程がずれた感じで、これも差し替えだろう。 残念なことに、エンディングのミックスは非常に雑で、ラストのアコギは右からしか聞こえない。

Tubular Bells Part Two)
Part One 同様にオリジナルアルバムとは異なるミックス。 導入部のフレーズや女声スキャットも異なっている。 派手目な音を抑えて、素朴で内省的なミックスになっている。 一方、後半は骨太なミックス。 Bagpipe Guitars は、よりギターらしい音でパート数も少ない。 偽原人もヘヴィなミックス。 ラストのSailor's Hornpipeは本編から独立して(切り離されて)おり、Viv Stanshallのナレーション入りのロングバージョン。 前半はドタバタ・ギコギコとノイズを鳴らしながら演説。 後半が通常のSailor's Hornpipe(別ミックス)で、ややソフトな仕上がり。 オリジナルアルバムに無いギターソロが聴ける。

The Rio Grande)
ソロピアノと子供の合唱による賛美歌。 エレクトリック・ギターが入ってきて、初めてマイク関連作品と判る。 トラックの途中で1回終わって、エピローグのようなインスト曲が入る。 デビッド・ベッドフォードっぽいなぁと思っていたら、Rime of the Ancient Mariner 収録でした。

Portsmouth)
In Dulci Jubilo)
定番のトラッドカバー曲。ミックス相違は未検証。

Hergest Ridge Part One / Part Two)
オリジナルアルバムとは別ミックスで、Virginからリリースされた全てのCDには、このテイクが収録されている。 ただし初期の通常CD(リマスター前)に比べると、このCDの方が高音質に聴こえる(筆者の主観による)。 Part2 エンディングのサリー・オールドフィールドのコーラスが、とても明瞭なミックスになっている。 この部分は、特に格好良いと思っている。

An Extract From Star's End)
デビッド・ベッドフォードのアルバムで、オーケストラをフィーチャーした現代音楽風の作品。 行進曲のようなベースに、マイクのギターソロが加わる。

Argiers)
タイトルはアルジェリアの首都を指すようだが、荒涼とした最果てを感じるサウンドだ。 アコースティックギターとリコーダーの音色が心に響く。 アフリカとか暑熱とか中近東のイメージは皆無。 哀愁の逸品だ。 シングルPortsmouth のB面収録されたらしい。

Speak (Tho You Only Say Farewell)
シャンソンのような男声ボーカル・デュエット曲。 アコースティックピアノをバックにしたワルツで、あまり(全く)マイクらしくない。 シングルPortsmouth のB面収録されたらしいが、これはプライベートリリースのレア盤らしい。

Ommadawn Part One / Part Two)
ラフミックスのような仕上がりで、Part One ラストのアフリカン・ドラムのフェイドアウトが長い。 しかも完全にフェイドアウトした後、なぜか一時的に音が戻ってくる。 On Horseback では玩具っぽい鉄琴パートが加わり、独特の味わいを出している。

The Phaeacian Games)
デビッド・ベッドフォードの作品、オデッセイから。 Star's End に比べると嘘のように明るい曲である。 マイクのエレクトリック・ギターが泣きまくる。

First Excursion)
Incantationsのデモ曲のような作品。 神秘的で、高らかなギターソロが格好良い。 シングルWilliam Tell Overture のB面収録されたらしい。



ブックレット裏表紙
外観(灰色ラベルはシールではなく印刷)



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