MAGMA
[末尾]


Retrospektïw 1 & 2 (1980)

Enregistré en public à Paris, Olympia, les 9, 10 et 11 juin 1980 par Alain Francais.
マグマ結成10周年記念ライブで、THEUSZ HAMTAAHK 3部作の第1楽章「THEUSZ HAMTAAHK」が収録されている。この曲は、未だにスタジオ・テイクが発表されていない(録音もされていないらしい)。従ってオフィシャルでは、このライブテイクが初出ということになる。筆者は、このテイクが完成形(スタンダード)かな、と捉えている。

[ZÜND]

Seventh
REX 16-17

ZÜND :
  1. THEUSZ HAMTAAHK (36:04)
  2. MEKANÏK DESTRUKTÏW KOMMANDÖH (40:05)
[Listening Report]
Christian VANDER : ds
Klaus BLASQUIZ : vo
Stella Vander : vo
Bernard Paganotti : bass
Gabriel Federow : guitar
Didier Lockwood : violin
Benoit Widemann : kb
Patrick Gauthier : kb
Lisa Deluxe : chant
Claire Laborde : chant
Maria Popkiewicz : chant
Jan Luc Chevalier : guitar

THEUSZ HAMTAAHK (憎悪の時)
この曲の序盤は、第2楽章WURDAH ÏTAHと同じ。テンポも速く、締まった感じでカッコイイ。以降は第1楽章ならではの展開に移り、手数の多いドラムスによる重厚で緊迫したビートに乗って、ボーカルやシンセサイザによるリフレインが次々に繰り広げられる。あえて例えればホルスト「惑星」の「火星」のような雰囲気の(似てないか;)勇ましい曲。中間部ではビートが加速し、ジャズ風の複雑なアレンジになり、一気に突き上げるような演奏になったと思えば、ソウルフルなスキャットとキーボードのアンサンブルに急展開。終盤の緩衝楽章はKRAFTWERKのAutobahnっぽい。そして超絶なジャズロックで締める、とにかくカッコイイ曲なのだ。終了後、シンセサイザによる効果音が3分くらい流れるが、ライブで演奏されたものか、不明。この曲は、「Opera De Reims 1976」「BBC 1974 Londres」でも聴けるが、やや練り込み不足と感じる。一方、今回のテイクは完成形というべき、素晴らしい出来だ。
MEKANIK DESTRUKTIW KOMMANDOH (破壊部隊の章)
叙情的なエレピのリフと、ステラのスキャットでスタートする。ただし、エレピは何故かフェイドインである。リズム隊が加わり、コバイア語のMCに続いて「メカニック!ディストリクティヴ!コ・マンドゥ!」で観客が沸く。基本的にアルバムと同じ展開ながら、かなり緩急がつけられている。ホーンセクションの代わりにシンセサイザが使われ、ファンク色はやや薄め。後半には「MAGMA Live」同様にベース・ソロとロックウッドのヴァイオリンが炸裂(ただしインプロ・パートの時間は、それほど長くない)。「Mekanïk Kommandöh」で演奏が終了し、コーダ「Kreühn Köhrmahn Iss De Hündïn」は無し。このバージョンを発展させたものが、30周年記念ライヴと捉えられる。ラストはアルバムと同じノイズが入るが、これは後で追加されたものかもしれない。

この作品は非常にクリアな音質で、各パートを細部まで聴くことができる。非常に丁寧な、完成度の高い演奏だが、反面、ライブならではの臨場感、音圧、過激さは希薄である。ライブテイクを素材にして作られたアルバム、という印象を受けた。

ちなみに左のヴァンデのアップがオリジナルジャケット。お気付きの方もいらっしゃるでしょうが、このアルバムはトータルで76分あまりと、1枚に収録可能である(そう、2枚組み。「Track List」ではなく「ZÜND」になってるでしょ)。別にこれはこれで構わないのだが、国内の輸入盤店では2枚組みと言うこともあってか、5000円近い価格になっていることがある。これは高すぎるし、実際のところ3000円前後が適価なので見送った方が良い。Seventh Recordsから買うのも一つの方法だ。


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