Christian VANDER
[末尾]


les Cygnes et les Corbeaux (Oct 2002)

1982〜1997に及ぶ創作と、4年以上の制作期間を経て、本作「白鳥と鴉」はリリースされた。 当初噂された?MAGMA名義ではなく、クリスチャン・ヴァンデ名義になっている。 サウンドはピアノ、ボーカル、コーラス、オーケストレーションが主軸である一方、ドラムスの音は聞こえてこない。 オーケストラは生ではなく、ヴァンデ本人がサンプラーを駆使して各パートごとに多重録音したとのこと。 まさに手作りの、渾身の作品といえるだろう。CDは27トラックに分かれているが、実質1枚1曲である。 作品解説は、ほとんどがフランス語なので読めないが、白鳥と鴉の動きに宇宙を見出す、との意味合いらしい。

[Track List]

Seventh
A 33

Track List : 65.37
  1. Des profondeurs 1.31
  2. Sahiss siiaaht 5.01
  3. Le vent 2.28
  4. En avancant vers le vent 1.02
  5. Le semeur vers le nord 0.59
  6. Le semeur vers l'ouest 1.49
  7. Le semeur vers le sud 2.09
  8. Le ciel de l'ocean 2.17
  9. Les cygnes et les corbeaux sont venus 2.09
  10. Vents et nuees d'oiseaux 0.38
  11. Le semeur vers l'est 3.00
  12. Le vent disparait 1.05
  13. Les oiseaux bruns 4.00
  14. Les oiseaux en colere I 2.13
  15. Les oiseaux en colere II 3.49
  16. Les oiseaux en colere III 6.35
  17. Les oiseaux en colere IV 6.37
  18. Les oiseaux en colere V 4.34
  19. Mon oiseau est parti pour un dernier voyage 1.06
  20. Les oiseaux blancs et l'oiseau bleu 1.06
  21. Vers l'ineluctable 1.19
  22. Chant unique pour appeler l'oiseau I 1.44
  23. Chant de la fatalite 2.32
  24. Chant unique pour appeler l'oiseau II 1.44
  25. Repos 1.29
  26. Chant posthume 1.41
  27. Des profondeurs 0.47
[Listening Report]

Stella Vander, Isabelle Feuillebois, Julie Vander ほか、数名のコーラス陣がクレジットされている。

#1はメロディ不詳のスキャット。まぁ、どおってことはない。#2はピアノとストリングによる、どろどろしたパート。ヴァンデのボーカルはイタコ状態で唸ってますね。うえぉ〜〜いぃ〜ぶらひぃ〜〜む、とぶちかます。音量を上げるとトランシーで迫力満点ながら、Magma / Offering ファン以外なら、ここで脱落するかも。敷居の高い導入部である。

アンビエントな響きに移ると、#3。Zessでおなじみのピアノ・リフレインと女声ボーカルの、美しいパート。#5で展開が変わる。「レ・シーゲレッコルボー・ソバリー・ソバリー」の女声コーラスを繰り返しながら、ゆったりと進む。決め所は、大河ドラマのようなオーケストラ。副題のコーラスと組み合わさって、徐々に盛り上がっていく。そして#9で最高潮。コーラス陣は、必死で声を張り上げていますね。#10では崩れ落ちるように静まっていく。

#11は軽快なリフレインと単音階ピアノ、そしてちょっぴりフィリップ・グラス風のミニマルコーラスが加わる。個人的に好きなパートだが、少々短い。でもこの先、最大の聴き所が控えているので、気分も盛り上がってくる。#12は現代音楽アンビエント風の繋ぎ。#13も現代音楽風だが次第に動きはじめる。いよいよ核心部へ突入だ。

ヴァンデのスキャットが現れると、#14。現代音楽風オーケストラ、リズムを刻むタンバリン、意の向くままに鳴らされるピアノ、主題スキャット、躍動的な女声コーラス、その他諸々が表向きには脈絡なく絡み合い、絶妙の音響空間を作り上げる。トーンクラスターの一種かもしれないし、偶発性も加味されているだろう。かつてないサウンド体験であり、これはもう聴いてみる他ない。

#21くらいで、不思議な音の饗宴は終息し、エンディングに向かって淡々と流れていく。これといったクライマックスは無いが、聴き所はヴァンデのスキャット。日本人にとっては、人間ばなれした発声に聞こえるだろう。特に#24のラストは凄い!ここからステラのスキャットにスイッチ。#26では再びヴァンデ。最後は、いつのまにかCDが止まっている、という感じ。

紙ジャケット仕様。ブックレット(全てフランス語)付き。ジャケット製造不良のため、発売が1ヶ月少々遅れたといわれる。



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