Magical Power Mako
[末尾]


Magic (1998/11/25)

「活動25周年を記念して、彼の原点に立ち戻って制作された意欲作。70年代にマコを絶賛した現代音楽家、武満徹に捧げる曲を始め、ヘヴンリーな楽曲が収録されている。」
収録された作品は、大半がファンタジックなシンセ音楽で、シンフォ系の音楽ファンにもお薦め。 やはり、初回作Magical Power のような過激さは、残念ながらお預けである。

Belle Antique 98473 - total time : 63.50


  1. At the end 3.20
  2. Song for Toru Tkemitsu 4.39
  3. Pele's garden 6.31
  4. Volcano Rave 13.13
  5. Rava flow 2.51
  6. Kehena 4.31
  7. Exterminator Yahweh T1 5.50
  8. Exterminator Yahweh T2 4.41
  9. Exterminator Yahweh T3 2.42
  10. Exterminator Yahweh T4 2.34
  11. Trance tribe 12.53

サウンドは前作 Erotic ELOhinの延長線上だが、性急なダンスビートは控え目になり、 ファンタジックで落ち着いたナンバーが目立っている。

#1と#2は、まるで叙情派シンフォの緩衝楽章みたい。 #1はピアノ、#2はストリング・シンセによる美しい楽曲だ。 #3もニューエイジ路線かと思えるが、次第に複雑なアレンジが顔を出しはじめる。

#4は、まさに本領発揮の複雑な楽曲。波の音の聞こえるアンビエントに続いて、アイディアの断片が次々に繰り出される。難解ではなく、むしろ楽天的で、三味線など順邦楽系や「運命のディスコ版」みたいなフレーズも飛び出す。そして再びアンビエントに戻り、消えていく。やはりこれが前半の山場でしょう。 #5もミニマル風ながら複雑なアレンジメントを楽しむことができる。 #6も同様ながら、緩衝楽章的な穏やかなアレンジになっている。

連作の#7-#10は、後半の山場。 #7はマリンバ系の高速ミニマル。後半はドラムも加わり、より性急に盛り上がる。 間髪いれずに#8。エレピやフュージョン風バンドを従えた変奏曲になっている。 続く#9-#10も、#7のバリエーションが次々と現れる。 複雑なアレンジも健在で、前作からのThey are calling を踏襲したパートである。 タイトルのYahweh(YHWHと表記されたらしい)はヘブライ語で神を意味する。 いわば、神が火炎放射器で「汚物は消毒だぁ〜」ということか?

#11は、いわば広葉樹林幻想曲。 音符の数が圧倒的に少なく、このアルバムでは異色なアンビエント・トラックである。 鳥のさえずりから始まり、和太鼓?から打ち出される重低音が、心地よく響く。 シンセと効果音のみのノンビート部分を挟み、再びドラムス登場。

マジカルパワーマコと言えば、何が飛び出してくるか読めないイメージがあるが、 ここでは「まっとうな音楽家」として勝負している。 前々作 No Government〜からの3作品では、本作が一番良い出来になっている。 しかし、この路線のアルバムは本作で終了し、アルバムリリースは暫くストップ。 ネット上に活動を移し、より過激な作品を従えて活動再開するまで、インターバルを置くことになる。


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