Magical Power Mako
[末尾]


Magical Power (Apr 1974)

マジカル・パワー・マコは個人によるプロジェクト。 ご本人は1956年1月、伊豆・修善寺生まれで、4歳からピアノを始めたとされている。 本作は1973年録音のデビュー作だが、当時の日本にこのような作品が存在していたとは、まさに驚き。もはやプログレッシヴ・ロックの体裁さえなしておらず、人前で聴くには、かなりの勇気が必要かも。このCDは1995年発売の「Q盤」。ユニバーサル系から紙ジャケ版も発売済み。

[Track List]

Polydor
POCH-1486

Track List : 47.05
  1. もうおしまいです。アーメン the end amen 1.04
  2. チャチャ cha cha 3.06
  3. 秋がない(アギネ) Tsugaru 4.15
  4. 死出の山から十三仏の掛じくへ in a stalactite cavern astronaus 1.37
  5. 街 town 1.53
  6. 冬 flying 5.39
  7. 束縛の自由 restraint, freedom 4.21
  8. 朝の窓をあける、太陽が光る、今日の希望だ小鳥がなく open the morning window, the sunshine come in, the hope of today is small bird singing 5.14
  9. ルーディング・ピアノ ruding piano 1.32
  10. 宿薬師念仏鐘はり shukuyakushi nenbutsu kanehari 1.44
  11. アメリカン・ヴィレッヂ1973 American village 1973 4.08
  12. 空を見上げよう look up the sky 12.24
[Listening Report]

この作品は、前半が CAT SIDE、後半が DOG SIDEと命名される。初めて聴くなら、先入観なしで、ぶっつけ本番で聴いていただきたいと思う。驚きに満ちた、狂気のサウンドワールドが待っている。ジャケットはレーベルのロゴをあしらっただけで、一見なんの変哲もないが、サウンドを聴けば、これが如何に挑発的なものであったか、お分かりいただけると思う。

ロックというよりも、フォークソングに根差す作品だろうか。歌詞は基本的に日本語。'70年代前半の、極度にサイケなアヴァンギャルド・ミュージックながら、クリアな音質で、少しも古さを感じない。また、後半で活躍するメロトロンも、見事なサウンドで必聴。各曲のデビューは巻末に掲載しました。ネタばれ御免の方、参照下さい。



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(以下、ネタばらしコーナー)
#1のタイトルを見て「くたばっちまえ、アーメン」を連想するようでは、年齢がバレる。 内容はナレーションのテープと猫の鳴き声で、これといった特徴もない。 #2は、これまた「CHA CHA 2000」と関係あるはずもなく、ケチャのようでいて決してそうではない、どんちゃん騒ぎ。「なんじゃこりゃ、ゴルァ〜〜ッ」と叫びたくなるようなノイズの嵐。人前で聴けるか、勇気が試される。 #3はタイトルから連想するとおり、三味線のパーカッシブなソロと、津軽弁の演説。プログレッシヴですか、これ?でも、今になって三味線が見直されているので、四半世紀先取りしていたということかな。
#4は祭り囃子と奇妙な叫び声。リバーブが異様に深く、なんだか気色悪い。#5は街の騒音をバックに、アカペラ・ソロ・ボーカル。はっきりいって、変な曲。 #6は叙情的なアコギでスタートするフォーク調の曲。後半は加速し、アフリカンドラム?連打とギターソロで盛り上がる。オマドーン(Mike Oldfield)のクライマックスに共通するかも。 #7は絶叫気味のボーカルがナンセンスな詞を歌うヘビーメタル・ナンバー。 ただし、バックはアコギとエスニック・ドラムで、奇妙な音場を形成する(やっぱり変な曲)。
ここから後半で、叙情的なイメージとなり、少しは聴きやすくなる。 #8は、表題の歌詞を繰り返す、リリカルな曲。後半、英語の歌詞と入り乱れつつメロトロンが登場。ノンストップでつながる#9はトラッド調のダンサブルな曲。#10はお祭り囃子系。太鼓とパーカッションが、カンカン鳴って、水滴音と祝詞が流れる。再び妖しげなメロトロンに乗ってサウンドコラージュ的なカオスを堪能できる#11。そして、ラストを飾る#12。希望に満ちたメロディと、叙情的なメロトロン・アンサンブル。そしてアンビエントなジャム。感無量。

EXIT