KRAFTWERK
[末尾]


Electric Cafe (1986)

前作から5年のインターバルを置いてリリースされた作品。 もともとは、Computer World 直後のミニアルバムTechno Popとして企画されながら、 そのまま保留されていたらしい。 本来のリリースタイミングを逸したことから、時代に即さない作品と評価されたようだ。 こうして聴いてみると、このアルバムのコンセプトはMusic non-stopであり、 こちらをタイトルにするべきだったのでは、と思うのでした。

Warner Bros. 25525-2 , total time 35:41

  1. Boing Boom Tschak 2:57
  2. Techno Pop 7:42
  3. Musique Non Stop 5:45
  4. The Telephone Call 8:03
  5. Sex Object 6:51
  6. Electric Cafe 4:20

Ralf Hütter / Florian Schneider / Karl Bartos / Wolfgang Flur

前半3曲は、Music non-stopを軸にしたトータル作品。 「ぼーいん、ぼんちゃ、ぺん」「ミュージック・ノンストォプ」のサンプル・ボイスと、 心地よいアナログシンセ・ビートで構成される。 トランステクノ系の縦ノリではなく、横にスイングするようなノリですね。 #2のタイトル、テクノポップは、かつてのブームを食ったもの。 ストリングス隊は叙情的で良いのだが、やや間延び感あり。 でもこれは主題?曲、Musique Non Stopへの序奏みたいなものでしょう。 妖しげなコーラスが現れて、いよいよ突入。 浮遊感のある電子ビートとサンプルボイスのみ。 メロディを排した、線画的なダンストラック。 世紀が変わった現在でも、尖っています。

#4は、Computer Love を思わせる叙情的なナンバー。 内容は、いわば「おかけになった電話番号は、現在使用されておりません」の声を聞くために、 何度も電話するというカルトなもの。 後半やや間延びするのが残念。 ストリングス隊+ヒップホップな#5は、珍しく性具を取り上げたり。 ラスト、90年代テイストの#6(タイトル曲)は、やや地味ながら、味わいあり。

全般に音数が少なくスッキリした印象だが、彼らなりのアイデンティティを押し出すために、苦労の跡が伺われる作品である。 しかしやはり「エレクトリック・カフェ」なる冴えないアルバムタイトルが、本作の評価を下げているようで、残念である。


<−前へ.. [先頭] ..次へ−>

EXIT