Klaus Schulze
Ultimate Edition (2000)

disc 41-42,46-50 - total time : 31.59 + 33.34 + 77.45 + 71.17 + 76.43 + 78.39 + 79.28 review bottom


disc 41
  1. Walk the Edge (from Jubilee Edition CD 21) 46:25
  2. Darkest Steglitz, Concert 1976 7:45
  3. Berlin Schoneberg, Concert 1976 24:14
disc 42
  1. Ein ruhiger Nachmittag (from Jubilee Edition CD 19) 31:20
  2. Get the Car, Harry, Studio 1978 19:05
  3. For Barry Graves, TV Concert 1977 14:29
  4. Suite Nr. 3, D-Dur, 2. Satz "Air" (from Jubilee Edition CD 19) 8:03
disc 43
disc 44
disc 45
  • Jubilee Edition CD 22
  • Jubilee Edition CD 23
  • Jubilee Edition CD 25
disc 46
  1. L'opera aperta, Concert 1998 49:43
  2. La tolleranza, Concert 1998 15:23
  3. Time Goes By, Studio 1999 12:26
disc 47
  1. Discover Trakl, Studio 1978 27:55
  2. Crazy Nietzsche, Studio 1978 43:12
disc 48
  1. Just an Old-Fashioned Schulze Track, Concert? 1975 73:20
  2. Zooblast, Studio 1993 03:11
disc 49
  1. Cum cello spiritu, Studio 1999 26:40
  2. Cellingua, Studio 1999 27:40
  3. Cello cum laude, Studio 1999 24:18
disc 50
  1. Berlin Zehlendorf, Concert 1976 21:24
  2. Unikat, Studio 1989 11:25
  3. The Face of Mae West, Studio 1990 08:14
  4. Himmel und Erde (Remix), Studio 1993 07:04
  5. Vas Insigne Electionis, Studio 1993 09:44
  6. Grose Gaukler Gottes, Studio 1994 05:20
  7. Dreieinhalb Stunden, Studio 1996 04:25
  8. The Schulzendorf, Groove (First Version) Studio 1998 11:32

Ultimate Editionは、2000年にリリースされた50枚組みセット。 これまでにリリースされた以下のセットをまとめて、更に5枚のディスクを追加したイシュー盤である。 トータルで、約64時間。
silver edition : 10 CDs
historic edition : 10 CDs
jubilee edition : 25 CDs

このコーナーでは、Ultimate Editionで新たに追加されたトラックを紹介する。 ざっと聴いた印象メモに留めますので、ご了承ください。

disc 41)
#41-2は強迫ドローン系の短編。 音質はまずまずだがヒスノイズが大きめで、まれにクリック音も出る。サワリ収録かも。 #41-3はきらびやかなシーケンスでスタートする。 高速高音シーケンス→重厚シーケンス+シンセソロ→強迫ドローン→アンビエントドローンの移ろいを楽しめる。 サウンドボードながら、やはりヒスノイズが大きく、ドロップアウトも多い。 美しい曲ゆえに、非常に残念である。

disc 42)
#42-2はメロトロンと太鼓とシーケンス。 またしてもヒスノイズが大きく、マスターの状態があまり良くない。 リズム系の雰囲気から、"X"のアウトテイクと推測される。 #42-3は1970年代らしいライブ音源で、サウンドボード録音のようだが、音質がかなり悪い。 強烈なドローン、シーケンスとシンセソロ、壊れたシーケンスなど、色々聴き所はあるのだが。

disc 46)
#46は1990年代末のライブ音源で、音質もクリアである。 逆にクリアすぎて臨場感がない(シュルツェ本人のスピーチが寂しげ)くらい。 #46-1は王道的だが、#46-2はテクノ風でThe Dark Side Of The Moogのテイストを感じる。 どちらのトラックも、とてもクールだ。 #46-3は、前半のBayreuth Return (Timewind) を思わせるシーケンスが圧巻。 セルフカバー曲ではないようだ。

disc 47)
#47-1は、タイトルからも判るとおり、Georg Trakl ("X") の派生トラック。 Revisit盤のロングバージョンと同等(フェイドアウト終了も同じ)で、こちらは音質も良い。 アルバムよりも、よりピュアなシンセとグロスコフのドラムスを堪能できる。 #47-2は、Friedrich Nietzsche ("X") とは趣の異なるトラック。 重厚なストリングシンセ(メロトロン?)のドローンに、淡々と進むシンセベース、そしてグロスコフのドラム。 後半、ドラムソロと電子ノイズだけのパートになり、そして暗転。 ラストは序盤のストリングシンセ(メロトロン)のドローンに戻る。 音質は良いが、残念ながらアナログ・ドロップアウトがある。

disc 48)
みもふたもないタイトルの付いた#48-1は、実は個性的な傑作だったりする。 高らかに流れるシーケンスは、当時の作品としてはハードであり、1980年代初頭のTangerine Dreamあたりの雰囲気だ。 後半はコズミックな電子音に引き継がれて、オルガン+シンセのドローン。 終盤はMindphaser (Moondawn) 前半のようなスタイルとなり、唐突に終わる。 音質はクリアだが、やはりマスターに若干の傷みあり。 #48-2は、へヴィーなエレクトロニック・ファンクチューン。 南国のビーチで迎える夕暮れみたいな浮遊感を伴っている。 シュルツェらしさは希薄。

disc 49)
1999年録音の本作は当時の最新作で、クリアなサウンドが特徴。 Contemporary Worksに収録されてもおかしくない内容だった。 3トラック構成だが、実際は一つの作品(ノンストップ)である。 タイトルからも判るとおり、多くのパートでセロ奏者が活躍する。 導入部はオペラ+コーラス風だがサンプリングかもしれない(1990年代初期のものより格段に自然な仕上がり)。 そして、ミディアムテンポのシーケンスが使われるが、 #49-2では抑え気味のアレンジ、#49-3では僅かにBPMを落として力強いビートになっている。 フェイドアウト終了。

disc 50)
#50-1はドローン+シーケンスが映える音源。 1970年代ならではのトランシーなシンセ音を堪能できるが、マスターに起因するヒスノイズやドロップアウトがあるのが残念なところ。 #50-2は、ノンビートのニューエイジ系。 サックスソロあり。1990年代Tangerine Dream風。 #50-3は、オペラ声サンプル、オーケストラヒット、大げさなパーカッション、 おまけにギター風シンセソロ(おもちゃピアノみたいな)。 勢いで作ったようなトラック。 #50-4も前トラックと似たようなものだが、クラシカルなフレーズ。こちらの方がマシかなぁ。 終盤のアンビエント・シーケンスは、なかなか活かしている。 #50-5は、オペラサンプル声が少々耳障り?なアンビエント、と思っていたら速いシーケンスで動き出す。 更に急加速して暗転。緩急あってドラマチックである。 #50-6は1990年代前半の長尺曲を短く切り詰めたかのように急激な展開。 #50-7は前曲ほどではないが、シングル曲のような作り。 疾走感は○。 #50-8は、レソナンスの効いたシンセによるミニマルトラック。 シーケンスというよりも同じリフを繰り返しながらシュツルツェ節も少し入る。 リズムパートが出てきたらフェイドアウト終了。 トータル約64時間のフィナーレとしては、あっさりしている。

まとめ)
Ultimate Edition用の追加トラックということで、クオリティのばらつきや、詰め込み感があることは、致し方ないのだろうか。 特にdisc 50は散漫に感じるものの、それでも価値の高いトラックが詰まっている。

このセットは何度か再リリース後、時間がたつと入手困難になる状況が続いていたが、 2009年2月からの再リリース("La Vie Electronique"シリーズ)が決まっている。 トラックを年代順に再編し、未発表曲を追加しながら、3枚単位で順次リリースされる模様(冒頭から未発表曲で、"I was Dreaming"と題された25分にわたる作品!)。 途中で切られていたりサワリ収録だったトラックが、全長版で復刻される可能性も期待したい。 ヒスノイズの低減やアナログ・ドロップアウトの修正あれば、なお良い。 リリース元は、あのRevisited SPVではあるが、マスタリングは良好のようである。


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