Klaus Schulze
Jubilee Edition (1997)

25 discs : 05 10 15 20 25 review bottom


disc 1
  1. Tradition and Vision, Studio 1997 78:47
disc 2
77:53
  1. People I Know, Concert 1977 40:21
  2. Avec Arthur, Concert 1979 37:32
disc 3
75:27
  1. Ludwig Revisited, Concert 1982 21:18
  2. Peg Leg Dance, Concert 1982 36:02
  3. Die Spirituelle Kraft des Augenblicks, Concert 1982 18:07
disc 4
  1. Borrowed Time, Studio 1993 77:16
disc 5
  1. Opera Trance, Studio 1993 79:21
disc 6
79:04
  1. The Real Colours in the Darkness, Studio 1985 12:07
  2. Hitchcock Suite, Studio 1977 40:11
  3. Semper Idem, Studio 1975 11:40
  4. Wann Soll Man Springen, Studio 1975 15:06
disc 7
77:35
  1. Cyborgs Traum, Studio 1972 39:17
  2. Ballet Pour le Docteur Faustus, Studio 1978 38:18
disc 8
77:04
  1. Vie de Reve, Concert 1979, Concert 1976 48:55
  2. L'affaire Tournesol, Concert 1979 19:38
  3. There Was Greatness in the Room, Concert 1979 8:31
disc 9
79:06
  1. Goodwill, Studio 1991 13:08
  2. Whales, Soundtrack 1991 19:56
  3. Experimentelle Bagatelle, Studio 1970 4:12
  4. Der Welt Lauf, Concert 1981 41:50
disc 10
73:16
  1. Tag des offenen Denkmals, Soundtrack 1993 0:36
  2. Les jockeys camoufles, Studio 1972 8:06
  3. Die Kunst, hundert Jahre alt zu werden, Studio 1971 64:34
disc 11
79:47
  1. Ole'!, Concert 1991 16:31
  2. Habla Espanol , Concert 1991 17:27
  3. Gaudi Gaudi, Concert 1991 23:14
  4. Keep up with the Times, Studio 1981 16:14
  5. Fear at Madame Tussaud's, Concert 1977 6:21
disc 12
79:28
  1. Titanensee, Studio 1973 27:12
  2. Land der leeren Hauser, Studio 1973 11:17
  3. Studies for Organ, Keyboard and Drumset, Studio 1974 14:53
  4. North of the Yukon, Studio 1972 20:45
  5. I Remember Rahsaan, Studio 1981 5:21
disc 13
79:52
  1. Angry Young Moog, Soundtrack 1994 3:45
  2. Kosmisches Gleiteisen, Soundtrack 1994 3:45
  3. Operatic March, Soundtrack 1994 3:44
  4. Kosmisches Gleiteisen, Pt. 2, Soundtrack 1994 1:58
  5. Angry Young Moog, Pt. 2, Soundtrack 1994 13:17
  6. Das grosse Identifikationsspiel, Soundtrack 1973 42:01
  7. Kurzes Stuck im alten Stil, Studio 1970 7:01
disc 14
69:51
  1. The Oberhausen Tape, Studio 1976 22:57
  2. The Other Oberhausen Tape, Studio 1976 22:00
  3. Die Erde ist Rund, Concert 1979 11:52
  4. Shadow Piece, Concert 1975 13:02
disc 15
78:34
  1. Unheilbar Deutsch, Concert 1985 53:55
  2. Just Skins, Studio 1970 24:39
disc 16
74:30
  1. Nightwind, Studio 1973 16:14
  2. Minuet, Studio 1973 11:39
  3. Signs of Dawn, Studio 1973 22:45
  4. Phonetisches Plakat, Studio 1979 7:31
  5. Study for Brian Eno, Studio 1970 7:23
  6. Study for Philip K. Dick, Studio 1972 8:58
disc 17
75:05
  1. Dans Un Jardin, Concert 1979 40:01
  2. Faster Than Lightning, Concert 1979 29:56
  3. Study for Terry Riley, Studio 1971 5:08
disc 18
79:33
  1. Verbluffe Sie!, Studio 1980 34:25
  2. Seltsam Statisch, Studio 1983 21:34
  3. Kompromisslose Invention, Studio 1980 15:50
  4. Maxxi, Studio 1985 7:44
disc 19
76:13
  1. Ein ruhiger Nachmittag, Studio 1980 31:22
  2. The Unspoken Thing, Studio 1987 36:48
  3. Suite Nr. 3, D-Dur, 2. Satz 'Air' (Bach), Studio 1992 8:03
disc 20
73:10
  1. National Radio Waves, Studio 1980 53:00
  2. The Midas Touch, Studio 1980 20:10
disc 21
76:03
  1. Walk the Edge, Soundtrack 1985 46:30
  2. Ludwigs Traum, Studio 1983 29:33
disc 22
76:54
  1. The Martial Law, Concert 1983 31:17
  2. Blaue Stunde, Studio 1975 37:49
  3. A Quick One, Studio 1981 3:49
  4. Count Me In, Studio 1981 3:59
disc 23
76:40
  1. Der Ursprung der Welt, Concert 1977 26:23
  2. Midnight at Madame Tussaud's, Concert 1977 16:17
  3. Totally Wired, Concert 1977 34:00
disc 24
74:30
  1. Linzer Stahlsinfonie, Concert 1980 59:59
  2. Bona Fide, Concert 1979 14:31
disc 25
  1. 'Nuff Said, Studio 1997 79:08

Jubileeは25年単位を意味する言葉で、Silver Jubileeで25周年、Gold Jubileeで50周年となる。 本作は、1stソロアルバムIrrlicht発売から25周年を記念して発売された25枚組み作品だ。 収録曲は初期作品から、当時の新作までバリエーション豊か。 特に初期の試行的なスタジオ録音が貴重である。 練習曲や試験的なトラックも収録されている点、とても興味深い。 このセットは、後の50枚組みUltimate Editionのdisc21以降としてリイシューされている。 セットの後半は、リイシュー時にディスクや曲順変更されたが、 このコーナーでは、従来の25枚バージョンにて紹介する。 このコーナーは、ざっと聴いた印象メモに留めますので、ご了承ください。

disc 1)
冒頭から78分の長編で、導入部も非常に長い。 10分前後から現れるオーケストラ(メロトロン?)が秀逸。 リズム隊が入るのは23分頃。 あまりメロディは入らず、クールでパーカッシブなビートは、The Dark Side Of The Moog I に近い感じがする。 テクノテイストの良トラックだが、61分前後のクリック音が気になる。 フェイドアウト終了の続きはある?

disc 2)
#2-1は、淡々と繰り返すシーケンスにシンセソロ(シュルツェ節)。 折り返し時刻で加速が始まり、超加速。混沌とし始めて、壊れていく (シーケンスやアンサンブルが音程を失い、脈打つ発振音へと変わる)。 そして静かなシーケンスに移り変わってフェイドアウトしそうになったら少し拍手が聞こえて終了。 #2-2はアーサーブラウン参加の注目トラック。 硬い音質で、もしかしたらオーディエンス録音かもしれない。 淡々とした、それでいて壊れかけたビートに乗って、アーサーはもそもそと歌っている。 だんだんと加速していき、高速展開モードになったら「あ゛〜ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 大絶叫キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!! 思わずのけぞる。 (ボカロ曲 Ultra Hard Attacks of Odd MusiK @ゆうゆPのノリに近いかも) 残りは緩衝楽章。拍手の後、アーサーを称える演説が聞こえる。

disc 3)
1982年のコンサートを収録したディスク。 #3-1は、Ludwig II. von Bayern のライブ版。 オーケストラが遠くで鳴ってるようだが、テープを使用しているらしい。 リズム隊(グロスコフのドラム?)が入ると急に音量が上がるような気がする。 エンディングは派手な電子ノイズだが、これは原曲にはなかったもの。 Revisited版"X"ボーナストラックとは別テイクで、音質は格段に良い。カットアウト気味終了。 #3-2は、Audentityを思わせるノリの良い曲。 時折り入るヒネリの聴いたフレーズが印象的。 #3-3はアンコールなのか拍手が3分以上続いて、ナレーション(たぶんシュルツェ自身)。 I Love You のあとに唐突に始まる。サウンドは、やはりAudentityに近い。 全曲完奏終了、かな?

disc 4)
「ぞん!」のサンプルボイスで始まる長編。 1990年代の王道的な、クールな作品だ。 オーケストラヒット?で緊急停止装置作動。

disc 5)
オーケストラヒットやオペラのサンプル声でドンチャカやってて、聴いてても楽しくない。 しかしそれは冒頭だけ我慢すればよい。 クールなリズム隊が走りはじめれば、気持ちよくトランスできる。 たまにドンチャカ入るが、アクセントにはなっているだろう。 ちょっと聴き飽きてきた後半、高速展開モードになる。 ここで気持ちがリフレッシュされるかな。ゆっくりフェイドアウト終了。

disc 6)
#6-1は、クラシカルなサウンドと優しいシーケンスの、聴きやすい曲。 #6-2は、Velvet Voyage (Mirage) のオルタネイト・バージョン集、3曲詰め合わせ。 1曲目と2曲目は9分と8分のアウトテイク。 アルバムバージョンよりも音数やエフェクトが少なく、曲の制作過程を垣間見ることができる。 2曲目はフルバージョン。 やはり制作過程との感もあるが完成度は高い。 エンディングの効果音は、かなり長く引っ張られている。 #6-3と#6-4は、ワンリフ・シーケンスにシンセソロという習作的なトラック。 Moondawnのアウトテイクかもしれないが、断定はできない。 #6-3はさわりだけ?でフェイドアウト終了。 #6-4は終盤に向かって音程感を失い、壊れていく。

disc 7)
#7-1はタイトルからアルバムCyborgのアウトテイクと思われるが、 ドラムスの導入が、Mental Door (Picture Music) への布石になっている。 基本的にはオルガンソロを基本に、発振音によるリズムがドラムとベースによるリズム隊に引き継がれていく。 ただしMental Doorのような激しさは皆無で、正確で抑え込まれたビート。 後半は電子ノイズによる音響効果で、カオスというかサイケデリック。 #7-2は室内楽的な趣で、淡々と繰り返すシンセベースに叙情的なストリングシンセ。 そのフレーズは1980年代初期作品を思わせる。 このトラックもラスト10分は壊れて終了。

disc 8)
#8-1はドローン系で、シーケンスの無いBayreuth Return (Timewind) というところか。 レゾナンスのたっぷり効いたシンセソロがフィーチャーされる。 終盤の盛り上げシーケンスも活かす。 #8-2はワルツ系シーケンスでスタート。 パーカッションが1980年代作品っぽい感じ。いつの間にかエイトビートになっている。 終盤は壊れたシンセドローンに入れ替わり、重厚なストリングシンセ群につながるなど、なかなかドラマチックである。ここまで2曲は完奏終了。 #8-3はアーサー・ブラウンのボーカル曲で、ドローン系。 アンコールっぽい雰囲気がある。 アーサー・ブラウン参加作品としては音質も良いのだが、いきなりフェイドアウトで打ち切り。残念。

disc 9)
#9-1はサンプルボイスを多用した、典型的な1990年代初期サウンド。 ベースがうねうねした導入部から、かなりノリの良いリズムトラックに移り、突如脈絡もなくルンバ調になる。 #9-2は鯨の鳴き声サンプル大会(一部で人間の声も混じっている)で、重厚なドローン系トラック。 このトラックは2曲構成で、どちらもスリラー系アンビエント。最後の最後でピアノソロが現れるが、すぐにフェイドアウト。 #9-3は機械的シーケンスによる実験的なトラック。 音程感の薄いリフレインの重なり具合が面白い。ドラが鳴って終了。 #9-4は1980年代初期のライブで、リズムトラックも、その時代らしいスタイルである。 佳作で完全収録だが、残念ながらオーディエンス録音である。

disc 10)
#10-1はオーケストラ系ファンファーレのようで、あっという間に終わる謎のトラック。 #10-2は、Ways Of Changes (Blackdance) の制作過程。 ラテンパーカッションなどアップテンポでアコースティックなリズム隊に、 電子効果音が鳴り響く。フレーズらしいものは無い。 #13-3はオルガンとパーカッションによる長編。#7-1と親戚関係のトラックだが、少し年代が早いので、よりシンプルでストレート。 前半はオルガンとパーカッションで、コツコツした早打ち太鼓が心地よい。 後半は変態電子ノイズやドローンで、ゆがんだ音空間。 音質もクリアで生々しく、その素晴らしさに驚かされた。 ズバリ必聴、初期名演!!!

disc 11)
#11-1はフラメンコ風のギターと「あえぎ声」。なんとも艶かしいシュルツェ・サウンドである。 Beyond Recallの頃のサウンドだが、妙にエコーが深い。 #11-2と#11-3も、音や曲名から推測するには、同一ツアーの録音と思われる。 3曲とも完奏終了。 #11-4は、歯切れの良いダンス?ナンバー。初期デジタルポップ調。 #11-5はマスターが劣化した感じで、あまり良くないが、後半の緊張感ある脈打つドローンが強烈。 後半2曲は、フェイドイン始まりっぽい。

disc 12)
#12-1の序盤は、やや強迫的なサイケデリック・ドローン。 ノンビートでオルガン主体のヘヴィなアンビエントである。 #12-2はアコースティックギターとベースに男声スキャット。 エコーが非常に深く、初期Ash Ra Tempelのようである。 キーボード群のシュルツェ節が確認できる。 #12-3はタイトルどおりドラム練習曲で、Mental Door (Picture Music)を思わせるドラムがダッ!ダッ!ダッ!ダッ!っと、シンバルもジャンジャカ鳴りまくる。 ただしバックのシンセとオルガンは内省的で、シーケンスの無いBayreuth Return (Timewind)という印象。音質もMental Doorよりクリアである。 #12-4は、ピキーン!ピキーン!ピキーン!ピキーン!...と繰り返される電子音リズム?がインパクト絶大。 曲そのものは内省的なノンビート・アンビエントである。 #12-5はフルート入りダンスナンバーだが、サワリ収録かも。

disc 13)
#13-1はノリのよいダンスナンバー(アンビエントでスタート)。 即興ではなく、決められたメロディのパターンがある。 #13-2はストリングスを擦るような、浮遊感溢れるアンビエント。 すごくきれいな曲だが、メロディらしいものは無い。 Contemporary Works II の4枚目、トラック2との関連曲のようだ。 #13-3はタイトルどおり勇ましい行進曲。クラシカルでオペラ的なアレンジだ。 #13-4はクラシカルなアレンジの短編アンビエント。 #13-5は1曲目のロングバージョン。まぁ大差は無い。 そして時代は1970年代初期へ。 #13-6は変態電子音と唸るドローンの、とっても濃いトラック。 終盤のオルガンのみが僅かに音楽らしく聞こえてくる。 Soundtrack表記だが寄せ集めではなく、40分余りの長編だ。 #13-7はMoondawnあたりの練習曲に聞こえる。 ドラムがポコポコ(ディレイ付き)で鳴ってるのが、アルバムとの大きな相違である。 残念、明らかにサワリだけ収録だ。

disc 14)
#14-1は脈打つようなシーケンスが特徴で、当時のどのアルバムとも、あまり似ていない。 後半は次第に重量感を増していき、終盤は緩衝楽章になる。 #14-2も#14-1と同じ頃に録音されたようで、シーケンスも似ている。 こちらの方がアンビエントで浮遊感もあるが、残念、フェイドイン始まりフェイドアウト終了。 #14-3は硬質なシーケンスが活躍する中編ライブ(完奏)。1980年代っぽいアレンジである。 オーディエンス録音かもしれないが、非常にクリアな音質だ。 #14-4はアンコール風短編。 Timewind〜Moondawnの頃のようなサウンドで、鋭いドローン系。 場面展開もあって、けっこう楽しめる。

disc 15)
このシリーズにおいて、1980年代のライブ音源は、なぜかオーディエンスっぽい音質だったが、#15-1については高音質といえるのではなかろうか。 導入部の発振音は初期作品と勘違いしそう。 長尺だが、短い曲をメドレーでつなげた感じで変化に富み、軽快でポップでさえもある。 後半、疾走するアパッチビートは、当時のTangerine Dream(アルバムWhite Eagleあたり)にも通じる。 リラックスして楽しめる一品だ。 #15-2は、ごく初期のスタジオ録音。 ドラムソロ(シンバル系は無し)とパーカッションのみのトラックである。 例のダッ、ダッ、ダッ、ダッ、というビートだけ。 オルガンや電子楽器は一切使用されない。

disc 16)
#16-1はアコースティックギター(リズム系で使用)とオルガンによる作品。そしてシンセソロ。 スタイルはWays Of Changes (blackdance) の導入部に近いが、より落ち着いた感じ。 #16-2もアコースティックギターによる作品。 こちらはリズムギターのデュオといった構成である。 緩やかで心地よいサウンドが流れてくる。 #16-3は、類似したスタイルの作品が当時のアルバムに収録されていない、という点で貴重。 リズムマシンというよりも、発振音・パルス音による淡々としたビートが続き、オルガン・ドローン。 中間部から、つぶやくような歌声や息遣い・スキャットが聞こえてくる。 なかなかにトランス的な作品だ。 #16-4は太鼓やドラだけの作品。 無音部分も多く、おどろおどろしい感じ。 #16-5は、ブライアンイーノの名が出てくるが、あまり似てない。 導入部はエフェクト過剰気味で音の大きなドローン。 やはりシュルツェらしさを感じる、初期の貴重なトラックだ。

disc 17)
#17-1はパーカッシブな打ち込みビートで、1980年代初期の雰囲気あり。 硬質なサウンドで、オーディエンス録音っぽい。 #17-2はアーサーブラウン参加のナンバーで、#2-2の展開に準じている。 例の絶叫もあるが、エンディングは短くまとめられている。 音質的にも#17-1と同じコンサートかもしれない。 #17-3はテリー・ライリー風のミニマル・オルガンが炸裂するが、やはりシュルツェ節。 終盤の「回転ムラ」がシュール。 コンパクトだが楽しいトラックである。

disc 18)
#18-1は1980年代らしい軽快な打ち込みビートだが、フェイドイン始まり。 王道的だが、むしろ聴き所は中間部以降の展開。 現代音楽風パートに引き継がれ、起伏のある新たなシーケンスに引き継がれる。 ラストは取り留めなく消え入るように終わる。 良作だが、やはりフェイドイン始まりが気になるところ。 #18-2はトライバルなビートで始まる作品。 The Midas Hip Hop Touch (Dziekuje Poland ボーナストラック)に似ているがアヴァンギャルドではなく、親しみやすく美しい仕上がりである。 #18-3は硬質な現代音楽風ドローン。 #18-4は、シュメーリンクが参加していた頃のTangerine Dreamそっくりなサウンド。 エレキギター風のフレーズやリズムの刻み方など、まんまタンジェリン。 シュルツェらしさは皆無で、ちょうどThief OSTやExitの頃に近い。 それでいて、どこか緩くて笑った。

disc 19)
#19-1は、ソロキーボードによる厳粛なアンビエント。 即興風で展開らしいものもなく、淡々と進んでいく。 #19-2は、MirageかBody Loveのアンビエントバージョンというべき作品で、 ノンビートのシーケンスが静寂の中で輝く。 録音レベルはかなり低めだが、それだけ繊細な音作りということだろうか。 1987年録音ながら70年代テイストのある名演だ。 #19-3は「G線上のアリア」。 完全にイージーリスニングなアレンジ(シュルツェらしさは無し)で、Goes Crassic収録に漏れたトラックかもしれない。

disc 20)
このディスクは1980年のスタジオ録音。 全面的にデジタルシンセとビートを取り入れており、 "X"以前のサウンドとは全く異質といってよいだろう。 #20-1はゆがむようなシンセドローンでスタートするが、 程なく軽快なシンセベース・シーケンスとパーカッションが入ってくる。 音数も整理され、聴きやすいアレンジになっている。 時折り入ってくる硬質なシンセ音が、粗削りと感じるかもしれない。 中盤の急加速はインパクトあるが、終盤はリズムトラックが抜けていき、しばらくしてフェイドアウト。#20-2は基本的にThe Midas Hip Hop Touch と同じだが、ミックスが異なる。 柔らかく重厚な仕上がりで、叫び声が入っていたりするのだが残念、 フェイドイン始まりフェイドアウト終了。

disc 21)
#21-1はサウンドトラックということで、いくつかのトラックの寄せ集めになっている。 前半は18分の中編(ただしフェイドイン)で、後半は短編集。 やや地味な「1曲目」よりも、短編の方が聴き所と思う。 現代音楽風エレクトリックサウンドやパーカッション。 あるいは良い感じの王道サウンド(すぐにフェイドアウトで終わってしまうけど)。 最後は心音ドローン(これは、なかなか格好良い)。 タイトルは「♪誰かが削りだした縁を歩いてゆくのだろう」(cosMo@暴走P)って関係ないですね。 #21-1はVelvet Voyage (Mirage)とStardancer (Body Love)を掛け合わせたような、ノンビートで素敵なトラック。 最後の残響?が雑な(急にボリュームが下がる)感はある。

disc 22)
#22-1は#3-2と同系列の作品で、このシリーズの1980年代ライブ音源としては、サウンドボード音質を保っている。 クールで軽やかなリズムトラックと、音量バランスを誤ったかのようなシンセソロやオーケストラヒットがスリリングでさえある。終盤の電子ノイズも強烈。 #22-2は、Mindphaser (Moondawn)前半部の派生トラックと思われるが、 導入部の強烈なドローン・ノイズおよび中間〜終盤にかけての脈打つようなシンセベース?と効果音が際立っている。 粗削りゆえの面白さは一押しだ。 最後の2曲は、シングルカット用に作られたかのような短編だ。 #22-3は、いまいち音質が良くないが、#22-4は、かなりイケてると思う(#1と同じリフレインが使われている)。

disc 23)
このディスクは明らかにオーディエンス録音で、音質もあまり良くない。 演奏内容は非常に良いので、資料的価値は高いと思う。 #23-1は、Mindphaser (Moondawn)全編の派生ライブバージョン。 #23-2はインダストリアル系シーケンスでスタート。 シュルツェ作品では珍しいと思われる。 #23-3も王道的作品で、中間部の超加速シーケンスが圧巻。 エンディングは唐突か?

disc 24)
#24-1は変化に富んだ長編ライブ。 一部でドラムも聴けるが、グロスコフっぽい演奏ではないようだ。 とても良い演奏内容だが、時折りブツブツと鈍いノイズが入ってくる。 筆者の環境の所為だろうか? #24-2はシーケンスとドローンの、ひねりの効いた短編。 どちらも完奏終了。

disc 25)
クールでミディアムテンポな長編。 シーケンスのシンセ音がTotem (Picture Music) っぽくて懐かしくもある。 中間部の重いビートとサンプルボイス、後半の叙情的ストリングス(シンセ)も聴き所。

まとめ)
初期のスタジオアウトテイクや習作と思える貴重なトラックもあり、実に興味深い。 完成されたアルバムでは味わえない、シュルツェの生の一面を垣間見ることができる。 Jubilee Editionも終盤になると音質のバラツキなどが目立ってくるが、楽曲のクオリティは相変わらず高い。 なお、同じスタイルの曲が他のディスクにも収録されていたな、と気付くケースも増えてくるが、 枚数も多く指摘しづらい状況になっている(ご容赦を)。 とにかく締めの1曲が渋くて格好良いので、とりあえずOKということで(お粗末でした)。


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