Klaus Schulze
[末尾]


Dig It (1980 / 2005)

Recorded: May to September 1980, Hambuhren
ディジタル・シンセサイザを全面的に導入した問題作。 タイトルのDig Itはdigitとのダブルミーニングであり、1曲目「アナログの死」も、それを示唆している。 従来のような繊細なサウンドは姿を消し、硬質で生々しい音になった。 筆者にとって、第一印象の悪い作品だったが、将来を見据えたトライヤルであり、再評価するべきと思いました。

Revisited SPV089-REV006 - total time : 77.21


  1. Death Of An Analogue 12.20
  2. Weird Caravan 5.16
  3. The Looper Isn't A Hooker 8.30
  4. Synthasy 22.53
  5. Esoteric Goody (bonus track) 28.21

2005年再リリース版(ボーナストラックとDVDを追加)は例のごとく音質に問題あり、 従来盤(Thunderbolt CDTB 144)を手放したことを後悔している。

#1は、 生々しいドラムスとパーカッション、そしてストリングス。 ヘヴィで退廃的なリズムをバックに、ボコーダーで淡々と歌われていく。 歌詞は、かなり聞き取り困難。 音質は良好。

#2はジャズっぽいドラムスに、ウニウニしたベース、フニャフニャしたオルガンソロが絡む小品。 ユニークで面白い曲だが、あっさりとフェイドアウトして終了。 1分過ぎから音が割れてますが、リマスター版だけ?

#3も、これまでと同傾向のヘヴィなインスト。 やはり中間部からバリバリ音が割れてますね。駄目だこりゃ。

クライマックスは#4。 瞑想的なオルガン(従来作に比べると生々しい)に、水滴を思わせるデジタルシンセ。 でもドタバタした太鼓は、余計だなぁ。これだけは止めてほしかった。 9分40秒頃にシーケンスが入り、90年代型シュルツェを思わせるパーカッション、 ボコーダー声を加え、ひねりのある転調が楽しめる。 残念ながら、このトラックもノイズあり、特に6分50秒付近や10分頃、以降も何度か音割れが発生する。

同時期に録音されたとされるボーナストラック#5は、実に興味深い。 メロディも音程もない、ゴォーッというノイズが寄せては返す。 とてもSF的な亜空間サウンドが、約10分間続く。 以降は、きらめくような電子音に導かれ、Velvet Voyageを思わせる展開に。 このコーラスはメロトロンではなくデジタルシンセなのだろうか? 17分を過ぎると、再び電子音だけが残る。 音響効果的なサウンドが断続的に現れて、 そして亜空間へと旅立っていく。 残念、この曲にも音割れがあります。

DVDの紹介は、当面の間、割愛します。 シュルツェは最後まで仮面を取らない、とのことです。


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