姫神せんせいしょん
[末尾]


奥の細道 (Aug 1981)

発売当時のニュースでは、「奥の細道」というシンセサイザ音楽が東北新幹線の各駅で流され、ちょっとしたヒットになっている、とのことだった。これが筆者の姫神リアルタイム体験である。 当時は4人編成のバンド形式で、フュージョン音楽に近いアレンジながら、日本民謡に根差す民話的メロディを前面に押し出したサウンドだった。「フォークロア・シンセサイザー」と形容されたように、いわゆるプログレ的な雰囲気は薄く(言葉の意味ではプログレッシブだったと言えるが)、ジャーマン・プログレのような実験的なトランス音楽とも無縁。クラフトワークを意識したYMO、クラウス・シュルェツから直接影響を受けた喜多郎あたりに比べても、その違いは明らかだろう。ゆえに、日本のエレクトロニック・ミュージックを語るには外せない名盤である。

Pony Canyon PCCR-00091 - total time :


  1. ありそ(荒磯)2.02
  2. 奥の細道 3.54
  3. リ・ア・ス 3.54
  4. 紫野 4.17
  5. 邪馬台国の夜明け 5.06
  6. Gun-Do 3.28
  7. 岩清水 3.57
  8. 行秋 4.02
  9. 蛍 3.36
  10. やませ 3.54

星吉昭 : Keybords, KORG synthesizer
佐藤将展 : Drums
大久保正人 : Guitar
伊藤英彦 : Bass
Track3と7は佐藤氏の曲、それ以外は星氏の曲である。

#1は波の音を伴うシンセサイザ多重録音で、ソロパートの「こぶし」は演歌に近い。この「こぶし」は姫神特有の奏法で、多くの曲で聴くことができる。#2「奥の細道」は1度聴いたら耳に残るような秀逸なメロディで、聴いたことがある方も多いだろう。主題メロディとフュージョン間奏が交互に入る展開だが、主題のインパクトが強すぎてフュージョンは間延びして聞こえる(笑)1981年2月にシングル・カットされ、ヒットを契機にフルアルバムが制作されたそうだ。以降も美しいメロディの軽い曲が続く。#4はレゲエ調。#6も「奥の細道」同様の展開で、アップテンポの主題が特にかっこよく聞こえる(間奏やサビは間延び;)。テクノっぽさから番組「パソコン・サンデー」(なつかしいなぁ....当時のパソコンが。メモリー容量やクロック周波数など現在を思えば限りなくゼロに近いのにン十万円もする。。。司会の姉ちゃん誰だったっけ?、、、、萩尾みどりさん。閑話休題)テーマ曲として使われた。#8は、遠くで鐘が鳴るような効果音入りの、郷愁感あふれる名曲。ラストは和太鼓風のドラムが入らなければ、シュルツェの「Wahnfried 1883」に似ているような気がする(ワケないか)。

本格的なシンセサイザ音楽というよりも、キーボード主体のロックバンドまたはフュージョンという趣き。 特徴ともいえるシンコペーションは、ドラムスの佐藤氏のセンスらしい。



裏表紙

ジャケットデザインは、当時のシンセ音楽にありがちだった「宇宙」と、純和風の神社に人魂?を組み合わせたもので、なかなか秀逸。 裏表紙はCG風のアレンジを施し、ハイテクっぽく仕上げたのだろうけど、今となっては貧相としか言えない。 初期盤だけかもしれないが、レコード会社のロゴや COMPACT disc digital audio ロゴが表紙に印刷され、けっこう目障り。これは他のアルバムにも言えること。


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