姫神
[末尾]


千年回廊 (2000/11/22)

姫神の第20作アルバム。姫神のリーダーである星 吉昭氏が1999年12月にエジプト、イスラエルを訪れ、本作はその旅行体験に基づいて制作されたものである。実際、前作「シード」発表直後に、「次回作は中東をテーマにした物になる」との情報があり、順当に発売されたということだ。
中近東指向の作品は、プログレ作品においても多く見られ、ホルガー・シューカイ/ペルシアン・ラブやイーノ&バーン/ブッシュ・オブ・ゴーストのように、コーランのサンプルが使われることもあった。姫神も近作では民謡、エスニック・ボイス、般若心経などを使っており、今回はもしかして.....と思ったが、幸い?外れたようである。

[Track List]

Pony Canyon
PCCA-01488

Track List : 42.42
  1. 千年の祈り 5.15
  2. はじまりの朝 4.06
  3. 未来の瞳 3.58
  4. 一人静 4.30
  5. 帰らぬ日々3.51
  6. 旅路 4.24
  7. 月あかりの砂のなかに 4.36
  8. 死海 3.56
  9. 独想(おもい)4.07
  10. あの空の下に 3.54
[Listening Report]
Guest Musicians
弦楽工房[友] : Strings
パーカッション : 高田みどり
姫神ヴォイス : 志和純子、中島和子、藤井智子、大村梨花、佐野より子
ほか、多数につき、省略させていただきます。

縄文語指導 : 崎山理

本作は中近東指向であるが、それらしいフレーズや民族楽器が前面に出てくることは、あまりない。悠久のイスラム文化を、姫神なりに消化し、あくまでも独自のサウンドで演じているところが凄い。実験的で尖っていた前作「シード」に比べて、暖かく包み込むようなサウンドだ。1曲目から大音量で聴くと、ノックアウトされそうになる。土着的なドラムスや、アコースティック楽器の比重が高い。また、アルバム終盤にクライマックスを作らない構成に、渋味を感じる。

#1は、ストリングス隊、ブラス隊と姫神ヴォイスをフィーチャーし、壮大でインパクトのある作品である。歌詞は縄文語。「神々の詩」の進化形、と言っても良いだろう。#2も同系列たが、シーケンサーが高らかに鳴るなど、前曲に勝るとも劣らない佳曲。 #3「未来の瞳」は先行シングルと同じバージョンと考えられる。#4はセロをフィーチャーした緩衝楽章。#5「帰らぬ日々」は久々に現代・日本語の歌詞が使われている。ゆったりと流れる時間と厳しい自然環境を描写した、悟りを感じる歌もの。でも実は、綾織(「遠野」収録)のリメイクかも。#6はシーケンスと姫神ヴォイスとの掛け合いが軽快。#7は黄昏な感じのインストだが、パキパキしたビートが特徴か。#8は、インパクトのあるピアノ・コンチェルト風にスタートするが、以降はセロとの共演になる(あまり盛り上がらない)。#9は、男性Voiceとセロの共演。#10も、ノンビートで内省的な、シンセサイザ主体のメロディアスな曲。

Jacket sample Jacket sample Jacket sample

白っぽい物体は、クラゲ。なぜかタンジェリン・ドリームの「Seven Letters From Tibet」ジャケットと同一ネタです。数値を含むタイトルも、偶然の一致か?


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