FAUST
[末尾]


Faust (1971)

1stアルバムである本作は、ファウストを代表する名盤として人気が高い。そのサウンドは異様なもので、生録テープ、話し声、電子音&ノイズ、ロック演奏、お祭りのブラス隊、その他正体不明の音が雑多にコラージュされている。自らのバンド演奏も、テープ編集のネタに過ぎないようだ。とにかくヘンテコなアヴァンギャルド・ミュージックだが、すっきりとクリアな音質で仕上げられている所が凄い。この時期のジャーマン・ロックでありがちだった、混沌としたグシャグシャ・サウンドとは一線を画する作品である。1度は体験しておきたい。

本作のリマスタ版2種類(5枚組みボックスThe Wümme Yearsと、2ndアルバムとのカップリング版)が発売された。筆者はボックスを入手したが、音質向上度合いは未検証。 [Track List]

Polydor
POCP-2404

Track List : 34.16
  1. Why Don't You Eat Carrots 9.35
  2. Meadow Meal 8.05
  3. Miss Fortune 16.36
[Listening Report]
Werner Diermaier
Joachim Irmler
Arnulf Meifert
Jean-Herve Peron
Rudolf Sosna
Gunther Wüsthoff
Kurt Graupner
Andy Hertel

Produced by UWE NETTELBECK

1曲目。プレイボタンを押しても、暫くの間、音が聞こえない。電子ノイズがゆっくりとフェイドイン。かなり強迫的になった頃、BeatlesのAll You Need Is Loveが一瞬聞こえて、なんやら叫び声。怪しいピアノ・ソロが始まると思いきや、調子の狂ったようなお祭りパレード楽団が割り込む。逆回転テープのようなノイズにかき消された楽団が再登場し、暫くすると急展開。より変態チックなフレーズに変わり、ボーカル隊も加わってくると、電子音ノイズや調子っ外れなギターやトライアングル、、、そしてノイズにかき消され、語りの生録テープになる。だんだん訳が分からなくなってピアノや楽団が戻ってくると、終了。タイトルの「なんでニンジン食わへんねん?」は、単にニンジン嫌いのメンバーがいた、ということかも?
2曲目。チェンバロ?や叩き物がカチカチ鳴るインプロからアコギにスイッチ、ほとんど台詞のようなボーカルパート。間奏とボーカルパートに続いて雷鳴。荘厳なパイプオルガン?・ソロが入って、終了。この曲も、食い物ネタ。
3曲目。割に一本調子なロックンロールかな、と思っていると、オルガンやギター・サウンドが段々変態じみてくる。テンポが速くなると暗転、パーカッションがチ〜ンと鳴って、電子ノイズやシンバル、ピアノ、そして奇妙な歌が入る。淡々としたインプロは次第に盛り上がり最初はゆったりと、そしてブレークビーツに転じて盛り上がる。少しよたよたしたところで、クラシカルなピアノソロ、そして例の奇妙な歌。イビツなノイズとうめき声、変調されまくりのノイジーなオルガンが途切れる。アコギをバックに、対位法的に区切られたナレーション(英語)が入り終了。タイトルは、「幸運の女神」とも「幸運に乗り損なえ」とも取れる。


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