Holger Czukay / Rolf Dammers
[末尾]


Canaxis (1969)

Recorded at Inner Space, Cologne 1968
シューカイの初ソロアルバムで、CANセッションの数ヶ月後に録音された。ほぼ全編、録音テープのコラージュによる、ミュージック・コンクレートである。シューカイ独自の「編集」による制作手法の魁ともいえるアルバムで、ミニマルやアンビエントとしても楽しめる作品だ。CD化にあたって、若干のリミックスと、ボーナストラック追加が行われた。ただ、CANのようなオルターナティブ音楽を期待すると外してしまうので、注意。

[Track List]

Spoon
CD 15

Track List : 40.10
  1. Boat-Woman-Song 17.26
  2. Canaxis 20.20
  3. Mellow Out 2.11
Holger Czukay : bass, tapes, editing, engineering
Rolf Dammers : co-producer, general support
[Listening Report]

録音テープを中心にした作品で、ネタは各国の民族音楽。雅楽も使われている。その音質から、短波ラジオを使って音源収集したと推測される。
#1は、聖歌隊のような導入部を経て、悲しげなストリングスのフレーズがテープ・ループで繰り返される。テープ・ループをバックに、民謡(2曲のベトナム民謡とクレジットされている)が歌われる。バックには持続音が流れ、冥想的な雰囲気だ。そして、子供たちのコーラスと、楽器演奏がミニマル音楽のように流れて、一種のトランス音楽になる。後半は、ストリングスのテープ・ループに戻って、電子音を絡めながら続いていく。
#2は、発振音で始まるが、銅鑼の音と共に、どこかの寺院のお経になる。#1に比べ、ダークで曇ったサウンド。お経は少しづつ遠ざかり、ワンコードの持続音が残って、筝曲が演奏される。そして電子音と共に、ゆっくりと消えていく。
#3はボーナストラックで、ジャズ風の短編。ギターとサックスの、シンプルな編成。この演奏は1960年にラジオ放送されたもので、アナログ盤に直接録音されたとクレジットされている。バンドメンバーのみに配布された貴重な音源だが、レコード針の擦れるノイズが激しく聞こえる。この音質は本作において違和感がなく、アルバムのラストを締めくくる、印象的な演出になっている。

1960年代ポピュラー音楽におけるミュージック・コンクレートでは、Beatlesの「Revolution No.9」が有名だが、これは奇をてらったような破壊的な作風で、脳味噌をクチャクチャにされてしまう。本作とは思想からして根本的に異なるといえる。

このCDは、CAN Solo Edition と呼ばれるもので、CANマーク枠の内側がオリジナル・ジャケットだ。枠付き縮小ジャケットという悪しき見本。ただでさえ地味なデザインが、より一層冴えなくなっている。 値段も全般に安くはなく、下手をすると、税別3300円くらいすることもあるのだが、クリアランスセール780円を発見、即買い。


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