Conrad Schnitzler
[末尾]


Rot (1973/1997)

シュニツラー、メビウス、ローデリウスのユニット 「K」のKLUSTERは、2枚のスタジオ作品と、ライブ盤 "Schwarz (Eruption)" 「黒」を残して分裂した。メビウスとローデリウスは「C」のCLUSTERとなり、シュニツラーが事実上のKLUSTERを引き継ぐことになった(インタビュー記事参照)。 ソロになったシュニツラーは1973年、本作「赤」をプライベートリリースする。 「黒」は、もともとシュニツラーのソロ名義でリリース予定だったらしく、その後の「赤」「青」などを含めて通称「色シリーズ」とも呼ばれている。 この作品は「黒」のような楽器演奏ではなく、全編、変態電子音に様変わりしている。

Plate Lunch PL01

Track List : 39.52
  1. Meditation 19.43
  2. Krautrock 20.09

最初、発振音がビーと鳴っているだけだが、音数が一つ二つと増えていき、そして脈打つような電子音がうにょうにょピロピロ加わってくる。 もちろん周期性のある電子ノイズなので、ミニマル風の浮遊感もバッチリ。 最後はドラの擬音が、ガーーン、、、ガーン、、、と。 全編を通じて生な電気音のマッタリ系。

#2のクラウトロック(笑)は、アップテンポ系。音程感のない、不安定な音場のビートとシーケンス、そして電子音。エレキギターだか何だか、ちょっとマヌケなソロパートが、ほんのちょっぴりロックテイストか。後半になるとシーケンスも複雑化して浮遊感を高めていく。 そして終盤は、弾けるような電子音の応酬。 次回作「青」に通じる名演だ。

この作品のサウンドは、当時のTangerine Dream, Klaus Schulze, Ash Ra Tempel あたりに比べ、冷徹さ、異様さにおいて別次元といってもよい。 "KLUSTER" は他ジャーマンプログレ勢とは異なる、独自の進化を歩み始めたのである。

ROTは Plate Lunch レーベルから1997年にCD化されるものの、 レーベルオーナーの死去により、事実上廃盤で入手困難。 その後、米国にてレーベル引継ぎの動きがあり、Earphon レーベルから一時的にリイシューされた。 タイトルはBLUE GLOWとROTだが、プレスCDではなくCD-Rだった模様。 この時点で、独 Very Good Records が既に版権を持っていたことで、以降のリイシュー構想は凍結されてしまった。 さて、その Very Good Records だが、ROTの他にGELB, GRUN などの版権を持っているが、何故かアナログのみのリリースで、何年もの時間が経っているにもかかわらず、CD化の動きが全く見られない。 CDプレーヤで聴きたいならば、ご本人からの直販CD-R購入をお勧めする。手続きから1週間もあれば手元に届くはずだ。


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