CAN
Tago Mago (Aug 1971)

Spoon CD 006/7 / P-Vine PCD-22203 - total time : 73.21


  1. Paperhouse 7:28
  2. Mushroom 4:03
  3. Oh Yeah 7:24
  4. Halleluhwah 18:28
  5. Aumgn 17:33
  6. Peking O 11:38
  7. Bring me Coffee or Tea 6:45

Holger Czukay : bass
Michael Karoli : guitar
Jaki Liebezeit : drums
Damo Suzuki : vocals
Irmin Schmidt : keyboards

recorded at Inner Space Studio 1971
engineering and editing by Holger Czukay

本作は「Monster Movie」に続く2ndアルバムとして制作されたが、「Soundtracks」が先にリリースされ、公式には3rdアルバムになっている。 オリジナルアルバムは、アナログ2枚組みの大作。 もともと1枚(CDでは前半)のみの企画だったようだが、セッション収録の2枚目が追加された。 特に「2枚目」のアヴァンギャルドぶりは圧巻で、初期傑作としての位置づけを不動にしている。

冒頭の2曲(Paperhouse 紙の家 + Mushroom キノコ)はメドレーになっており、聞き流していると曲の変わり目に気付かない。 虫の声のような擬音(ギター?)に導かれ、ブルース調でスタートする。 ダモ鈴木のボーカルはが気だるいが中間部に急展開あり、ジャズ風のアレンジもあって楽しめる。 音質面は、ラフな録音と感じてしまうが、リマスター版ならバッキングのフレーズや効果音を克明に聴き取ることができて、 意外に奥深いサウンドであることが判る。 ダモ鈴木が絶叫すると、既に2曲目に入っている。

爆音からつながる3曲目(Oh Yeah)は、本作で最もノリの良いナンバー。 軽快なブレークビーツであり、ドラムンベース風でもある。 序盤のボーカルは、なぜか逆回転。 中盤には、なんとも奇妙な日本語の歌詞が聴けるので要チェック。 もちろん、その面白さを体験するにはテキストでは不十分。 ぜひサウンドを体験いただきたいと思う。

一人でそこに座ってる 頭のイカレた奴 虹の上から小便 我らがイモ?と呼ぶ
LSD(エルエスデー)の街から 離れ餓鬼を恐れ 朝がまだ来ないのを 幸いなことに

4曲目(Halleluhwah ハレルヤ)は前半の山場。 ハレルヤとはヘブライ語の「主を賛美せよ」を意味する言葉の短縮形らしい。 一方で、サウンドは、18分を超す呪術系ファンク。 重厚ながらも淡々としたビートに乗って、ダモ鈴木のボーカルが炸裂する。 中間部の効果的な緩衝楽章を経て、あのレロレロ・ラララ!!というリフレインが耳に焼きつく。 カローリのギターに導かれ、シュミットの変態的キーボードソロで盛り上がり、興奮醒めるころ、 急なフェイドアウトで終了。

5曲目(Aumgn 阿吽)から後半のセッションに入る。 タイトルの「阿吽(あうん)」(英語表記ではAum)はサンスクリット語が語源であり、 「あ」から「ん」(音の始まりから終わり)、転じて創造から破壊のサイクルを意味する。 (以上、不正解かもしれないので、その際にはご容赦ください。) 東洋系の民族音楽をごちゃ混ぜにしたような、ヘンテコな演奏で始まる。 深いエコーにバイオリンがギコギコ鳴り、 しばらくすると、「あぁぁぁぁーうぅぅぅぅーんんんんんーー」という、うめき声が加わって、かなりアブナイ雰囲気に。 ボーカルはイルミン・シュミット。13分を過ぎたあたりからドラムソロに入り、犬の鳴き声や電子音ともにクライマックスとなる。

6曲目(Peking O 北京オペラ)もAumgnに勝るとも劣らないくらい、奇妙なトラックだ。 Aumgnからの続きのような、取りとめのない演奏に、突然リズムマシンが乱入。 ボサノヴァから高速ブレークビーツに転じ、意味不明のシャウト。 ダモ鈴木、完璧に狂ってますな。 曲自体も意味不明になりながら、そのまま終わり。 以上2曲はアヴァンギャルドながら、あっけらかんとした明るさを持っている。

7曲目(Bring me Coffee or Tea コーヒーかお茶を持ってきてくれ)は、 締めくくりの落ち着いたナンバーで、後半はブレークビーツ・ドラムとギター、キーボードのリフで盛り上がる。 後の傑作アルバム Future Days のエッセンスが感じられる点、興味深い。


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