Monster Movie (1969/08)

The Can
Jacket sample
(Spoon CD 004)

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作品紹介

カンは1968/7/19に結成、オリジナル・メンバーは、ホルガー・シューカイ、ミヒャエル・カローリ、ヤキ・リーベツァイト、イルミン・シュミット、デヴィッド・ジョンソン(ヴァイオリン)の5人。カンの名前の由来は出来るという意味のほかに、馬鹿、尻、刑務所などのスラングを含み、各々が学習の中から得たものを缶の中に投げ込むという意味をこめてつけられた。後年、イルミン・シュミットはCommunism、Anarehizm、Nihilismの頭文字を並べたものであると語っている。
ファーストアルバムのレコーディング直前にデヴィッド・ジョンソン脱退、黒人ボーカリストのマルコム・ムーニーを加えて制作されたのが、このMonster Movieである。当時、レコード会社との契約が出来ず、600枚限定の自費製作盤としてリリースされ、後にUAから再発売された。現在では、SpoonレーベルのCD盤が、Mute Recordsから入手できる。
(レビュー作成にあたって「Cannibalism 1」高橋直己氏の解説文を参照しました。)

リリースされた1969年は、Tangerine Dream、Kraftwerk、NEU!、Cluster(Kluster)などの名義によるアルバムが発表されていない時代であり、このMonster Movieはジャーマンプログレの源流ともいうべき重要な作品です。 サウンドは反復ビートを主体としたグルーヴ感、トランス感を重視したもので、まさにジャーマンプログレ的なものであり、ブリティッシュ系などのシンフォニック・ロックとは全く異なります。また、初期のAsh Ra TempelやTangerine Dreamのようなフリーなインプロビゼーションとも一線を画しています。また、シンセサイザを使用していないであろう電子音(アルファ77と呼ぶ自作楽器らしい)や、分厚いエレクトリックギター音など特徴的な音響効果を、この段階から聞くことが出来ます。

Holger Czukay : bass
Michael Karoli : guitar
Jaki Liebezeit : drums
Malcolm Mooney : vocals
Irmin Schmidt : keybords

recorded at Schloß Nörvenich 1968/1969
engineering and editing by Holger Czukay

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収録曲目

Track Time Title
1 7:01 Father cannot yell
2 6:16 Mary, Mary so contrary
3 4:11 Outside my door
4 20:19 Yoo Doo Right
Total 37:49

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曲目紹介

Father cannot yell(父は大声で叫べない)
チープな電子音に続いて、ワンコードのエイトビートが突っ走る。ギターもリズムをとってるだけで、うねるようなベースに身を任せると、心臓の鼓動が早まっているような気にもなる。ボーカルが入らなければ、NEU!に近いサウンドかもしれない。クラウス・ディンガーも相当に影響を受けたのではないかと思う。
Mary, Mary so contrary(メアリー、メアリー 確かに逆だ)
ゆったりとしたバラード?ナンバー。後半、分厚い多重録音ギターが迫ってきます。
Outside my door(私の扉の外側)
ワンコードのエイトビート系パンク?ナンバーです。
Yoo Doo Right(君は正しいことを実行する)
1969/7/25、ノルヴェニッチでのライブ録音。歌のメロディーはいたってシンプルで、耳に焼き付きます。マルコム・ムーニーはボーカリストとしては素人と言ってもよいが、いかにも苦しそうに絞り出す声が、かえって緊張感を、極限までに高めている。もし、これが姉ちゃんのボーカルだったら、どんなだろう??なんて、おばかな事を考えてしまった。サウンドは重厚なドラム・ビートと単純なリフで構成されていますが、時間と共に演奏スタイルが変わっていき、トランス状態にはいってしまうと、あっという間に20分経ってしまう。サンプラーでズタズタにしたような声(生声でしょうね)が聞こえてきたら、もうすぐ終了です。

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音質評価

録音が古いのは仕方が無いが、各パートの音がしっかり分離されており、聴きやすい音質です。特に、Yoo Doo Rightはクオリティが高く、ぜひ高級なオーディオ装置で聴きたくなります。

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ジャケットについて

初回盤のオリジナル・ジャケットは「白地の真ん中に赤くヨーロッパの壁画のようなものがプリントされてます。古い映画のタイトルのような白い立体文字で左上にMONSTER MOVIE 右下にTHE CANとなっております。」との情報ですが、筆者は見たことがありません。現在入手できるCDのモビルスーツ・ジャケット(これはこれで印象的なアートと思う)は、リイシュー版。以下、Spoon盤の見開き写真。

inner photo

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Monster Movie
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